バードの麻雀雑記帳

天鳳(チャオってなければ鳳南に居ます)やその他の麻雀記事を集めた雑記帳です、乾きまくった麻雀砂漠に水を掛けてやりたい…

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嬢との麻雀 2

「あぁ、おかしな約束しちゃったかな」

熱いシャワーを浴びつつそんなことを考えていた、「ドタキャンしたらどうなるんだろう?」こんな弱気も顔を覗かせた。

「そんなこと出来るはずないか…」

色んなことが頭をかすめたが結局翻意することも出来ず着替えてまた外に出た。

待ち合わせ場所のファミレスまでは徒歩1分だが郵便局に足を向ける。

金のことは心配しなくていい、そんなことを言われた。だが当時はバクチなんて自分の甲斐性でやるもんだと思ってたものだからありったけの残高を下ろす。

麻雀は好きで毎日のように打っている、だが今回下ろしてしまったのは決して麻雀に使っていいものでもない。「負けたらどうすんの?」拭い去れない不安を抱えたまま若干重い足を引きずってファミレスへ。

時間ぴったりぐらいだったと思う、アキナちゃんはもう来ていた。昨日とは当然違う格好でタバコを吹かしながら携帯をいじっているとこだった、オレに気付くと右手を上げる。

「あっ、早かったですね」

「近所なんですよ、座っていいですか」

彼女の首が縦に振られたのと同時くらいに向かいに座るとコーヒーをオーダー、自分もタバコを咥える。

「それで…今日の麻雀なんですが…、あっ簡単な自己紹介くらいでもしますか。自分は―」

簡単な自己紹介を。

「あれ、タメなんだ。じゃあお互いタメ口でいいよね。私の店知ってるかな?親不孝の○○って雀荘の近くなんだけど」

「あっ、あの辺なんだ。」

同じく近所だった。

「知ってる?でね、今日これから打つって人は私の同僚のシーちゃんって人なんだ。」

「もう1人はその人の恋人だっけ?」

「うん、ホストなんだけど彼がこれまた強いんだなぁ」

「らしいね、負けたことないとか言うから実は不安でしょうがないんだ。随分と高レートだしね」

「そう、高いよね。あっ、そうだ。はい」

そう言うと彼女はバッグから封筒を取り出す、女の子同士が文通で使うようなポップな封筒だったが中には札がギッシリ入っていた。

「これはいいよ、一応オレもあるだけ持ってきたから」

封筒を返そうとすると

「えっ、いいのいいの。じゃあ終わるまで預かってて、遠慮なくそれ使ってくれていいから」

頑として受け取ろうとしないので

「じゃあもし足りなくなったらお借りするかもしれないってことで預かるね」

と言ってジャケットの内ポケットに封筒を収めた。

「ホントにそれ使っていいからね、いつもは女の子3人でその彼に挑んでるんだけど毎回返り討ちなの。1回くらい勝ちたいじゃない?だから鳥居君にお願いしたって訳、昨日打ってて強いなって思ったんだ」

自分の金なんてここには最初から無かったかのように彼女が言う。

「昨日はたまたまだよ、朝まで打って結局大半溶かしたし。それにあんまり寝てないから睡眠不足ってのも…」

始まる前から「負けた時の言い訳」のようなことを言った、実際体調はいいとは言えなかったけど額が額なだけにそんなものは何の「免罪符」にもならないだろう。

「あっ、そうだったんだ。じゃあ私と一緒に帰ればよかったね。負けたっていいんだって、私これでも結構稼いでるんだから」

勝負の前から情けないことを言うオレを彼女は豪快に笑い飛ばす、だが彼女の話が本当なら少しだけ気が楽になったような気もしていた。

「そうじゃなきゃ誰もやらないと思うけどやっぱり儲かるんだね」

思い浮かんだだけのことを口にして「あっ、失礼かな?」と思う。

「でも固定給がある訳じゃないからね、指名取ってナンボ。<1本>いくらってこと、さすがに待機所で寝てるだけじゃお金は貰えないよ」

気には障らなかったようで安心、<1本>ね…。

「ねぇねぇ、鳥居君は友達と麻雀したりする?」

<1本>の意味を考えていると彼女が聞いてきた。

「うん、するよ。でも皆打てるから勝つのは大変だね」

「あっ、私も強い人たちと打ちたい。ねぇ、今度混ぜてくれないかな?もしお金が足りなかったら体で払うから」

結構すごいことを言っているはずだがサラッとそう言うと彼女は体に<しな>を作ってみせる、それは自分が異性の目にどううつってるかを完全に熟知した人のものだった。

「あっ、レートがものすごく安いから絶対そんなことにはならないと思うよ。男ばっかだから皆喜ぶかも、今度おいでよ」

なぜか少しだけドキドキしつつそう答えた。

雑談は続く、話していると彼女は性だったり金だったりに関する感覚が自分と全く違うことに気付いた。「倒錯」している、と言っても過言ではないかもしれない。

「こんな仕事してるとね、顔が歪むの。マジだよ?鏡見るたび顔が歪んでいくのが分かるの」

「あぁ、そういうもんなんだね…」

少し話が場の空気とマッチしない方向へ向かってしまう、数秒の間があった。

「まぁ…、こんな話はいいよね。そろそろ行こっか?」

「あっ、あぁそうだね。」

短い間を彼女が切り裂くと立ち上がる、彼女はオレのコーヒー代すら自分が出すと言ってきかなかった。


彼女の店の近くまで歩いていく、あるマンションの前で彼女が立ち止まった。

「ここだよ」

「えっ、雀荘行くんじゃないの?」

「ううん、ここ店の事務所みたいなもんなんだけど自動卓が置いてあるんだ」

「オレ全く部外者だけど入っていい訳?」

お店の関係者からしたら「何しに来た?」って話になるだろう。

「誰も居ないから大丈夫だよ、ほら、行こう」

オレの腕を取ると彼女はマンションに入っていく、エレベーターに乗ると5階で降りた。

「はい、ここ。入って」

彼女がある一室の扉を開ける、恐る恐る入っていくと玄関に靴が無くて安心した。

「あれ、まだ来てないね?電話してみる」

先方はまだ来ていないらしい、部屋は事務所と呼ぶにはあまりにお粗末だったが続いている隣室に確かに自動卓が置いてあった。

「あぁ…来てる…今…待ってる」

隣室に行くと電話の声が聞こえてくる。

オレは、卓に屈みこむと一応簡単なチェックをした。ザックリ見たが仕掛けなどは無いようだ。

「後5分で来るって」

彼女がやって来て言う、「分かった」とだけ返事をした。

急にふと、後5分くらいで屈強な男たちがやって来ていきなりどこかへ連れて行かれるんじゃないだろうか?なんて恐すぎる想像が浮かんでくる。

なんだかそんなことを思い出すと現実になるような気がして逃げ出したくなるんだが数分後扉が開いて玄関の方から「ゴメーン」と女性の声がしてまた安心した。

「あっ、こんにちは。私シーって言います、そしてこっちが彼のにっ君でーす」

シーちゃんは我々と同い年くらいに見えた、そして遅れて入って来た彼を紹介する。

「やっ」

とだけ言って見るからにホスト然としている彼はオレの全身を値踏みするようにジロジロ眺め始めた、そんな変な格好はしていないはずだがあまり気分のいいものではない。

オレも簡単に自己紹介をした。

「アキナちゃんからレートとかは聞いてるよね?店始まるまでしか出来ないから5回ってことでいい?」

彼が聞いてくる

「いいですよ」

と、返す。

「じゃあ早速始めよう」

彼がそう言うと皆で卓に着いた、座順は上がシーちゃん、対面が彼、下がアキナちゃんだった。

「今日はアキナちゃんが連れてきた彼のお手並み拝見ってことで、よろしく」

彼が憎たらしいくらい自信たっぷりに言った。

「お願いしまーす」

女性陣も合わせる。

オレは黙って会釈だけするとサイコロボタンに手を掛けた。

いつもとは趣の違うバクチがこうして始まったのだった…。



思いのほか長くなったので続くw



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コメント

嬢とは2回戦までと聞いていましたがまさかの延長アリとは!
やったー!

あれ、なんの話でしたっけ?

あ、続きも楽しみにしています

  • 2012/03/15(木) 00:16:14 |
  • URL |
  • メガネ部長 #MvSKUjhA
  • [編集]

ピロートークを知らない坊や故にすぐに3回戦を所望するという相変わらずの無粋さでありますw。

もうメガネ部長さんしかマトモに読んでくれてないんじゃないかと思うと不安ですwが完結編までお付き合いよろしくお願いします(´ω`)

  • 2012/03/15(木) 00:58:40 |
  • URL |
  • バードメン #-
  • [編集]

やっぱりww

読んでて「これ完結しないよなあ。どうやって終わらせるんだろ?」と思いながら読んでいったら次回へ続くだった!こりゃあ読んでもらうには終わる終わるサギもありだなと思いました。今度使いますwww

書いてたら思いのほか時間が掛かって終わらなくなってしまいましたw。

終わる終わるサギいいッスねぇ、けどそこまで読者を惹きつける内容じゃないと通用しませんね。。
完結編も頑張ります。

多分―次回が最終回ですww。

  • 2012/03/15(木) 18:21:59 |
  • URL |
  • バードメン #-
  • [編集]

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