バードの麻雀雑記帳

天鳳(チャオってなければ鳳南に居ます)やその他の麻雀記事を集めた雑記帳です、乾きまくった麻雀砂漠に水を掛けてやりたい…

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ラストスマイル 第9話

プラトニックな夜を過ごした後、しばらく間が空いた。しばらく、と言っても時折会っては麻雀を打ったり酒を飲んでは爛れた時間を過ごしてはいた、のだが。

やはり彼女はプロ試験を受けることに決めたようだ、結局オレは少しだけ止めるようなことを言ったもののその言葉に意見を曲げさせるような力はなかった。

ならば仕方ない、言うことは言ったのだから後は応援することにした。

そんな―試験まで後1週間という時期、彼女から渋谷に呼び出される。

ベタに過ぎるハチ公前で待ち合わせ、ぴったりの時間に行くと既に彼女は居た。オレが近づいて行くとナンパ目当ての男たちに「ライター借りていいですか?」と話しかけられているとこだった、「やあ」とオレが話しかけると男たちは残念そうな顔をして居なくなった。

「渋谷なんてどうしたの?東風であっという間に稼いで美味しいものでも食べに行こうって?」

多分麻雀を打つんだろうなとは予想していたので聞いてみると

「ううん、行きたい店があるの。50円の東南の店なんだけど」

こんな返答だった。

「えー、渋谷くんだりまで来てゲーム代負けすんの?気が進まないなぁ」

「それがね、今度受験する団体の所属プロと打てるらしいんだ。もし君が負けたら私がパオるよ、しかも君が喜びそうなギャル雀だしさ、ね?行こうよ」

「ギャル雀ねぇ、あんまいい印象ないんだよなぁ」

こんな会話があった。

あれは確か―、そんな昔の話じゃない。五反田に行った時のこと、いつも通り「麻雀」の看板が出ている店に新規で行った。そこで「ダンプ」と呼ばれていた女性メンバーと麻雀を打ったことがある。

多分体格がいいからそう呼ばれているんだろうがまっ金髪にエプロンをした彼女は、タトゥーだらけのブッとい腕で毎回強打していた。

麻雀はそれなりに達者だったと思う、が、如何せん愛想が悪い。ある局オレが親番でダマインパチをダンプからあがったら点棒を放り投げられる、やはり気分はいいものではない。

それ以来、その店に行くこともなくなった。

こんな話を彼女にすると

「それってギャル雀じゃないんじゃない?」

と言われる。

「ギャル雀の定義は女性と打てる店ってことじゃないの?ダンプはある意味オレより男性的だったけど生物学的には確実に女性だったからね」

「うーん、多分今日行く店は違うと思うよ。ねっ、お願い。行こうよ」

「そうなのかなぁ?じゃあ裏表2回ってことならいいよ」

予め住所を調べていたようだ、歩き始めると迷うことなく目的地に連れてってくれた。オレが渋谷で打つ時は駅近の東風で財布の中身を倍にするか0にするかしかなかった、「こんな場所にも雀荘があったんだな」と思っていると着いた。

「いらっしゃいませぇ~」

ドアを開けると若い女性メンバーが迎えてくれた。

「あれ?」

と思う、パステルカラーを基調にした店内は清潔感に溢れていた。しかも店内には女性メンバーしか居ない、何から何までもダンプの店とは違っていた。

「新規なんですけど」

「かしこまりました、同卓と別卓どちらがよろしいですか?」

セナの方をチラッと見てから

「どっちでもいいですけど4回限定です」

こう言った。

「ご新規のお客様です、同卓はどちらでもいいそうで~す」

応対をしてくれたメンバーが本走中の別のメンバーに伝える、

「了解です、ユミちゃん、じゃあルール説明終わったら4卓立てちゃってください」

「は~い」

本走中のメンバーが指示を出す、あの人が話に出た「プロ」なんだろうか?

「じゃあルール説明をさせて頂きます、当店は―」

お定まりの説明が始まる、ルール表も渡されていたので肝心な何個かだけ確認して後はずっと聞き流す。

ルール説明が終わると卓が立てられた。

「こちらのお2人はご新規のお客様です、よろしくお願いしま~す」

こんな紹介をされて対局開始、面子はオレとセナ、オレより年下の学生風の彼と好々爺然とした初老の男性だった。

打ち始めてすぐ気付いたのは…、セナはいつも通りだが脇の2人は初心者同然ということだ。攻めているのか守っているのかまるで分からない、終盤にポロッとかなり危険と思われるロン牌が出てあがれたり。

「あれ?これはひょっとして…」

相当楽な展開なんじゃないかと思う、見ていても仕方ないから手出しツモ切りなんて見るのをやめた。自分の手牌だけで押し引き判断が出来るのだからやはり楽なものだった。

緒戦はオレがトップ、セナは2着。

2回戦目に入った東パツ、上の彼が携帯を取り出す

「あっ、親からだ。この電話は出ないとやばい。ユミちゃん、ちょっと代走して」

「えっ、あぁ、分かりました」

彼は同卓者には下手なのにユミちゃんにだけはこんな口調だった、そう言ってユミちゃんと代ると彼は急いで店の外に出て行った。

「あの…、まだ麻雀勉強中なのでよろしくお願いします」

卓に入るなりユミちゃんがそう言う

「あっ、そうなんですか。分かりました」

こんな返事を。麻雀が分からない状態の時に雀荘で働いてると麻雀打っている客ってどういう風に見えるんだろう?小さい牌の組み合わせに一喜一憂しながら何時間も打っている姿ってどういう風に見えるんだろうか?

そんなことを思いながらユミちゃんを眺めていると配牌を取ってからじっくり理牌、そして北を切り出す。北はドラだった、しばらくすると気付いたようで「ハッ」とした顔をする。そして即北がカブると心底残念そうな顔をして北を並べていた。

「なんだか―、可愛らしいな」

と思いながら打っていた、キー牌のバラ切りをしている。「あぁ、放銃しないように打ってるんだね」と微笑ましいような気分で打ってると

「リッ、リーチします」

と言って赤い1万点棒を取り出した。

「えっ、もうスーパーヒトシ君出動?まだ始まったばかりだから青いノーマル1000点棒でいいと思うよ」

こんなことを言うと少し顔を赤らめて

「あっ、こっちですよね。すみません、すみません」

と言いながらリーチを掛けてきた。

それを受けて困ってしまう。ドラの2丁切りから始まって面子を落としている、だとバッタや単騎が怪しい。そう思うと現物しか切れなくってベタオリになってしまった。

皆受けに回って―、流局。開かれた手は12234というペンカン3待ちだった。

「あの…、これ大丈夫ですか?」

ユミちゃんが聞いてくる、

「うん、大丈夫だよ。ちょっと想定外だったけど」

こんな会話をしながらノーテン罰符を支払う、すると電話を終えた彼が戻ってきた。

「あれ?リーチしちゃったの?代走はリーチ掛けないもんだから覚えといてね」

「すみません、すみませんでした」

とユミちゃんは仕切りに謝っている、「そんな責めなくてもいいのに…」とは少し思わないでもなかった。

結局2回戦目はセナがトップ、同性が嫌いな彼女は若干ユミちゃんにもイライラしているようでキツイ打ち方で勝ちきった。オレは大して参加していなかったが2着だった。

「電話来ちゃったからさ、オレ次でラス半ね」

上の彼が言う

「じゃあ私ももしラスにしとこうかな」

下のオジサンも続けてそう言った。

「割れるなら3回で帰ってもいいかな」と思いながら3回戦目に入る、3回戦目はオレの親番に下から高い手を2回あがってトバしてしまい東場で終了した。

「じゃ、私はこれで」

少し憮然としてオジサンは席を立つ、上の彼も帰るだろうし「あぁこれで終わりかな」と思っていた。

すると

「○○君、私そっち入るからもう1本だけ打てない?」

別の卓に着いていた例のメンバーが上の彼にそう言う

「えっ、○○○さんと打てるの?じゃあしょうがないな、1本だけ打ちますよ」

と言いながらもまんざらでもない様子で彼はまた席に着く。

少し間があって、例のメンバーがこっちの卓に来た。

「それでは改めましてよろしくお願いします」

こんな挨拶から最終戦が始まる、名札を見ると「プロ」と書いてあった。

我々も、これで目的を果たせそう。

無いと思っていた最終戦、何が飛び出すのか―

その日初めてドキドキしながら対局は始まったのだった…。
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