バードの麻雀雑記帳

天鳳(チャオってなければ鳳南に居ます)やその他の麻雀記事を集めた雑記帳です、乾きまくった麻雀砂漠に水を掛けてやりたい…

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オネエとの麻雀

25歳くらいの頃、その日の仕事が終わっては電車の無い深夜に牌を触りに行っていた。交通費は貰えなかったがタクシー代は貰えるという不思議な会社に居た、それを種銭にして雀荘へ。

「こんばんは」

入っていくと卓は一つ、ワン入りだったから次から入れそう。しばらく音楽を聴きながらコーヒーを啜っていると案内される。

卓に着くと対面のオジサンに話しかけられた。

「あら、かわいいお兄ちゃん。よろしくね」

こんなコトを言われて顔を見ると40代くらいだろうか、ゴツい体とスキンヘッドに舶来物と思しきダーク系のスーツ、首には太い金ネックという風貌だった。

「あっ、どうも。よろしくお願いします」

内心「マズイのかなぁ?」と思ってはいたが柔らかく聞こえるオネエ言葉である、どういう方かは分からなかったが黙って打ち始めた。

脇の2人は両方30代くらいの男性、対面さんとはどうやら知り合いのようで何やかやずっと話していた。

「しかしアレよねぇ、すっかり赤入りが定着しちゃったわよね。今じゃあ赤の入ってない麻雀なんて星の無いつのだ☆ひろみたいなものね」

こんなことを対面さんが言うもんだからオレも思わず「クスッ」としてしまった。思ったより恐くないのかもしれない。

とか思いきや―、話は続く。

「けどね、ワタシはチップだけ稼ごうとするような麻雀されるとついムカッとしちゃうのよ。こないだそんな小僧がいたからとっちめてやったわ」

こんなことを言う。

「どうしたんですか?」

確かにものすごく気になるんだが何だか聞いちゃいけなようなことを上家が聞いた。

すると―

「あんまりムカついたから卓上の牌を全部赤牌にしてやったわ」

背筋が<ゾクッ>とする。

「やっぱりkoeeeeeeeYO!!!」

しかし…いきなり帰ってご機嫌を損ねても仕方ない、相変わらず黙って打ち続けた。

相変わらず3人のお喋りは止まらない、オレはすっかり萎縮していたが成績はあまり悪くない。多分ただ1人黙って卓に集中しているからなんだろう。

麻雀は続いていく、こうして打っているとおかしなルールがあることに気付いた。

「ロンね、マンマン(満貫のことらしい)」

対面さんが下から出あがるとあがられた本人、

「あいたぁ~、そんなことされたらオマンマの食い上げ!」

とあまり上手いとは思えないコメントとかなりオーバーなリアクションを見せる。

「うん、まぁまぁね。はい」

「ありがとうございます」

そうするとこんなやり取りがあってチェーセン(千円)を渡す、「?」と思ったがいいリアクションをすると「ご褒美」が貰えるようだった。

だがオレは対面さんに振っても「はい」とだけ言って点棒を支払う、こんな感じだとやはり、と言うか少し残念そうな顔をする。

オレは麻雀しながら喋るのが苦手だった。

いろいろ話して少し気心が知れたようになると上が競ってる時の3確やチップ目当てのラス確がし辛くなってしまう、この日それをしようとはまさか思わなかったけどならいっそ黙って打ってる方がいい、そう思っていた。

だが、オレのそういった信条などは通用するはずもない。

「ねぇ、お兄ちゃん<一期一会>って言葉知ってる?こういうとこでたまたま会って卓囲んでるのも何かの縁よね?ならやるべきこと分かるでしょ?あんまりワタシをガッカリさせないで」

不意にこんなことを言われた、顔を見やると恐そうな「地」が出てしまっている。

「あっ、はい。気をつけます」

確かこんなことを言ったんだと思うが何を気をつけるというんだろう?脇の2人のようなリアクションをしろということなんだろうがオレはそんな「ピエロ」を演じなきゃいけないんだろうか?

若手のクリエーターの給料なんて雀の涙ほどだ、オレは負けたら大好きな麻雀を打てなくなってしまう。勝ち負けを気にしなくていい(と思われる)アナタとは違うのだ、だからこそストイックに黙って打ち続けるしかない。

こんなもんはスイッチ一つの話だということは知っている、だがオレはチェーセン欲しさに自分のプライドまで捨ててしまいたくはない。

そうだ―オレは媚びなくていいのだ。よし、絶対媚びないぞ!と心に決める。

審判の時はすぐにやって来た。

「お兄ちゃん、それね。裏はと…、キャッ跳ねちゃったわ」

若干ヌル目の牌で対面さんに放銃、一瞬間があって―

「やられたぁ~!」

仰け反るようなアクションをしようと思ったら椅子のキャスターが回って椅子から転げ落ちる。背中をしたたかに床に打ち付けた。

「グフッ!」

瞬間息が止まったがなんとか立ち上がる、「すいません」と言って椅子を直した。

すると、

「あらやだ、そんな頑張らなくていいのに。はい、特別よ」

こんなコメントを頂いてチェーセンを3枚渡された、受け取ってはいけないような気もするがあんだけ転んでタダで起きるのもイヤになってきて結局「ありがとうございます」と脇に倣ってご祝儀を頂いた。千円を取り出すセカンドバッグには金が剥き出しでギッシリ入っている、なぜこの方はこんなとこで100円の麻雀をやっているのだ?

いろいろ思うところはあったが、それ以降はさっきまで何を意固地になっていたんだろう?と思うくらい3人と話したりオーバーなアクションをしながら麻雀が打てた。

「どうせ打つならお兄ちゃんね、えい!」

「ロンッス」

こんな感じだったから収支もいい、この店とは思えないくらい勝った。

朝方、なんとなく卓割れ。帰り支度をしていると「焼肉行かない?」と対面さんに誘われたが丁重にお断りして店を出る、そしていつも通り電車で帰った。



昔の話である、今日ふと背筋を伸ばそうとしたら寒いからか背中が「ピリッ」と痛んでこの話を思い出した。

しかし―

あの時の傷がまだ痛むんなら、やっぱり3千円じゃ安過ぎやしないだろうか…?
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