バードの麻雀雑記帳

天鳳(チャオってなければ鳳南に居ます)やその他の麻雀記事を集めた雑記帳です、乾きまくった麻雀砂漠に水を掛けてやりたい…

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ラストスマイル 第4話

くだらないだけのメールをようやく送る、「本当にあのメールでよかったんだろうか?」とも思いつつベッドに座ってウィスキーを飲んでいた。

家に居てもすることがない、最近はシャワーと寝るためだけに帰ってくる部屋と化していた。手持ち無沙汰を誤魔化すようにギターを手に取る、だが、昔あれだけ好きだった時間が今はどうもハマれない。

トゥルルルトゥルルル~♪

メール着信音が鳴る、競馬好きな友達に貰ったものだ。馬券売り場で支払いが可能になった時に流れる音源らしい。

画面を開くと期待通り、セナからだった。

<件名:お疲れ様>

<本文:初めてくれるメールが何切る?って珍しいね、私は親じゃなくてもドラ切るかな?ただ、赤が一つも無いのに運の細さを感じます。>

こんな内容だった、思わずニヤッとする。すぐに返信を打った。

<件名:実戦譜の結果>

<本文:オレもドラを切ったんだけどその後ドラを二枚河に並べました、そのうちリーチを受けてベタオリ。。あれだけ美人だと思っていた手牌はグチャグチャに、やはりオレにはあの手は高嶺の花に過ぎたようです。>

返信を打ちしばらくするとまたメールが来る、しばらくやり取りが続く。久々に手に取ったギターはいつの間にか部屋の隅にほっぽられてしまっていた…。

数日後―、また一緒に麻雀を打つことになった。オレが横浜で彼女が埼玉だから間を取って大学のある品川で待ち合わせた、JRの改札で落ち合う。

「久しぶり、って程でもないか。品川に雀荘なんてあるんだね」

「うん、最近ホントにそこにばっかり。品川までは来るのに大学は行けないんだよなぁ。とりあえず行ってみよう、こっちだよ」

嬉しいと思ってるのを悟られたら恥ずかしい、それをかき消すように歩きながら事務的にルールを説明する、どこにでもあるピンの1-3で珍しいことなど何も無いが話しているうちに店に着いた。

ドアを開ける。

「こんにちは、今日は二人なんですけど」

「おぉ…、今オーラスだから一人はすぐ入れるよ」

マスターが首だけこっちを見て驚いたように言う。確かに一人でしか来たことがなかった、しかも女性連れなのだから驚かれても無理はない。

「どうする?オレから行こうか?」

彼女はチラッと卓の方を見て言う

「せっかくだから私から行こうかな、いい?」

「もちろん」

順番は決まったのでドリンクを飲みながらマスターの麻雀を眺める。マスターは二着目で下の親に丁寧に牌を絞っている、それを見て「らしいなぁ」と思う。勝ちすぎず、負けすぎず、マスターの打ち筋はメンバー麻雀のお手本のようだった。

「ラストでーす、どっちから行くの?」

二着を守りきったマスターに聞かれる

「彼女から行きます、ルールはもう説明してあるんで大丈夫です」

そうオレが言うとマスターは黙って頷いた。

「よろしくお願いします」

彼女が卓に着く、オレはバックから文庫本を取り出し彼女の後ろに座った。そういえば彼女の麻雀を見せてもらうのは初めてだった。

対局が始まる、メンバーはスーツ姿の三十代くらいのサラリーマンと五十代、六十代と思しきオジサン。オレも何度も打ったことがある面子だがそんな大やけどはしなさそうなメンバーだ。

初めて見た彼女の麻雀は―、「豪胆かつ繊細」の一言に尽きた。少しでも出遅れを感じたり手が入っていない時には場況にずっと対応する、そうかと思えば親番に自信があると見るやカンチャンを即リーしてきっちり引きあがっていた。

「上手い、いや、強いな」素直にそう思う。ただ、その打ち筋は鉄火場の雰囲気を感じる。彼女の麻雀は間違いなく博打打ちのそれだった。

一回戦目は奮戦したものの彼女は二着、対面のオジサンがエグく裏ドラを乗せてトップを取った。チップの多寡が勝敗を決めるのがこのルール、だが競技麻雀なら彼女がトップだったろうなと思う。

チラッと横顔を見やると特に何も気にしてる様子はない、やはり相当色んな場面で打ち慣れているようだ。

「ところでよぉ、兄ちゃんたちはどこまで進んでんだ?リャンシャンテンか?イーシャンテンか?ん?」

トップを取ってすっかり相好を崩した対面のオジサンがニヤニヤしながら聞いてくる、「また始まったよ」と思う。

普段はちょっとでもツカないとチッチッなんて舌打ちばっかりするし牌の扱いも雑になる、だがちょっとでもノッてくるとベラベラと喋り出す。しかも話の内容が金と女の二択しかない、オレはほとほと閉口していた。が、この人には元々品性がフォーマットされてないんだと思うと全く気にならなくなった。

オレだけだったらいい、だが今日はセナも居る。おかしな質問をされてオレはただただ苦笑するしかなかったんだが彼女はサラッと言った。

「あぁ、テンパイまでは早かったですよ。ねっ?」

こっちを見ながら微笑みを寄越す、彼女の言葉に些か驚きつつ「あぁ、うん」と返し質問の主を見るとキョトンとした顔をしてる。なるほど、どうやら役者が違うらしい。

「あっ、あぁ。そうなのか。じゃあ君らはチートイツみたいなもんだな、うん」

タジタジだったオジサンが苦し紛れにそんなことを言う

「それってあんまり巧くないですよね?」

オレがそう言うと卓が笑いに包まれる。

やっぱりホーム店であるここに連れてきてよかった、と思う。そして―ますます彼女に堕ちてゆく。

だが、店内に一人だけ笑ってない人が居た。その人は音もなくオレに近寄って来た…。
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