バードの麻雀雑記帳

天鳳(チャオってなければ鳳南に居ます)やその他の麻雀記事を集めた雑記帳です、乾きまくった麻雀砂漠に水を掛けてやりたい…

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<番外編> 競馬場に咲いた花 第2話

デニムのホットパンツにハイネケンのタンクトップを着た彼女は無いかと思っていた<タイプ>という概念にほぼ完璧にマッチしていた。

「頑張ってくださいね」

また笑顔でそう言ってくれる、ビールを受け取ると少しドキドキしてその場を辞去した。

その後も1レース外すごとにビールを買いに行った、彼女と話せるというのも楽しみであり馬券で使うなら飲んでしまった方がいいという完全な負け組的思いもあった。


そしてとあるレース、「3-6」という馬券を買ったのだが2着が混戦で審議のランプが灯っていた。6番かもしれないし、8番かもしれなかった。

中央の大きなモニターにファンの関心が注がれる、僕も他にすることがなくって見ていると見知らぬオジサン(競馬場に居そうな典型みたいな人)に話し掛けられる。

「8番で決まりだな」

「えっ、8番ですか?僕6番なら当たりなんですよ」

「3と8の騎手は同郷でな、揃って連対(1位と2位)って訳よ。ほら」

オジサンが自分の馬券を見せてくれる、3-8で買ってあった。

「あぁ、そういうのもあるんですね。まいったな」

こんな話をしていると結果が出る、写真判定の結果は…3-6だった。

「やったな」

オジサンは親指を立てると少しだけバツの悪そうな顔をして居なくなった。


またビールを買いに行く。

「さっき当たったんですよ」

「すごい、おめでとうございます」

自分のことのように喜んでくれる、これが演技だったら彼女は天性の女優だ。


少しだけギャンブルとは違う熱を感じて再開、三連単(3着まで当てる買い方)が始まる9レースへ。

以前友達に「どうして三連単は9レースからしか売らないの?」って聞いたことがある、そしたらその友人は「あんなの朝から打ったらみんなすぐパンク(持ち金がなくなること)しちゃうだろ?だからだよ」と言っていた。

実際は処理上の問題だったらしいが「そんなもんかな?」と思っていた、2位までも当てられないのに3位まで当てるなんてまぁ無理な話だ。

が、8レースで1回当たっただけでは経費にもならないので性懲りも無く三連単(複)を買い始めたのである。

結果、9,10レースと連続で外す。いよいよタダ働きが見えてきた。

ビールと少しだけの癒しを求めて例のブースへ。

「今日1回しか当たってないんですよね」

しょんぼりしながらそう言うと

「メインは4番とかどうですか?」

と提案された。

「どれどれ?あぁ、この馬ですか。競馬されるんですね?」

新聞を見ながら聞くと

「お客さんがみんな良いって言ってたんです」

らしい、彼女は皆に平等に優しいのだという当たり前過ぎる事実に気付いて少しだけ傷ついたような気持ちになりながら定位置に戻った。


午前中はあれだけ閑散としてた競馬場の人口密度は11レースでピークを迎える、その日のメインレースが始まるのだ。

メインというくらいだから人が集まるのは当然だが僕にはあまりその気持ちが分からない、別に当たり易くなる訳でもない。

だが、競馬ファンに「競馬の何が面白いんですか?」と問うと大体「展開読み」という答えが返ってくる。

要は実力が拮抗した馬が自分の思ったとおりの展開でゴールに駆けてくるもんだと予想するのが楽しいと言うのである。



これまた先述の銀行員の弟分の話をすればある時彼に川崎競馬場へ連れて行かれた時のこと。

「今日は堀の内(歓楽街)で豪遊させてあげますんで期待しててください」

と言われメインレース、彼が最後の直線で「○○!○○!!」と騎手の名前を絶叫しゴールすると狂喜乱舞(芝生を転がりながら)していた。

「えっ、当たったの?」

と聞くと

「はい、9000円程当たりましたね」

と言った。その様子で僕は最低でも10万円くらいは当たったような気がしたけど彼のイメージ通りの展開だったからこその狂喜乱舞らしい、金額の多寡は問題ではないのだ。 あっ、もちろん堀の内は帰り道に通っただけで終わった。


閑話休題。

残りも後2レースしかない、ここは是非当てておきたくてそれなりに予想をしてみる。確実に当たる組み合わせはあるのだ、後はそれをいかに手繰り寄せるか、それに尽きる。

あれこれ思案していると後ろから頬っぺたに冷たいコップを押し当てられる。

「んっ?あっ・・・」

「こんにちは~」

私服に着替えた彼女が居た、ビールの紙コップを差し出している。

「あぁ、仕事終わったんですか?」

「はい、さっき。ここに居るの分かってたから挨拶しようと思って…どうですか?」

「いやー、ダメですね。気温同様寒いもんですよ。あぁ、さっきの格好って寒そうでしたね?」

まだ上着が離せない季節だった。

「そりゃ寒いですよ、けどあれしか制服がないんです」

「あっ、そうですよね。まぁ競馬で負けてる人の目には優しいですなぁ、僕のことですけど」

こんな会話をしつつ乾杯、彼女が来てくれたこともあり意見を参考にして4番から何通りか買ってみた。3着まで当てるのは無理だと悟り2着まで当てる買い方に切り替えた。

ファンファーレと共にメインレースが始まる、彼女と共に見守った。

レースは混戦模様だったが最終コーナーを曲がると4番がグイグイ先頭に追いついてくる、後1ハロン(約200メートル)くらいか、ギリギリの距離だった。

競馬場のファンの声援にも熱が入る、騎手の名前は分からなかったが「差せ(追い越せ)~!」と僕もこの日初めて声援を送った。

結果―

4番はホントにゴール直前でトップになった、クビ差くらいだろう。

「おぉ…やった~!実は4番から買ってたんですよ」

彼女とハイタッチ。

「ところで2位って何番ですか?」

興奮冷めやらぬ状態で彼女に聞く

「3番を越してゴールしたから3番ですね」

「なるほどなるほど、4-3、4-3はっと…あれ?」

前歯が数本抜けるかと思ったが4番から色々買っていたのに4-3は買ってなかった…。

愕然としていると競馬場が沸く、どうやら着順が確定したようだ。ディスプレイには「4-3」とあった。

「当たったと思ったんですけど4-3は買ってなかったです…、ぬか喜びしちゃってすみません」

彼女に報告すると彼女は笑っていた、こんな愚かな僕を笑っているんだろう。すると

「ふふ…私当たりましたよ、ほら」

そう言って彼女が馬券を見せてくる、券には「三連単4-3-8」とあった。

慌ててディスプレイを見ると3着は8番だ。

「あっ、あああ…三連単買ってたんですか?」

あまりに驚いて挙動がおかしくなった、彼女は相変わらず笑っている。

「彼女は一体何者なんだろう?」

この時の僕は、こんな疑問が頭の中で渦巻いていた…。


エピローグに続く
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デニムのホットパンツにハイネケンのタンクトップを着た彼女は無いかと思っていた<タイプ>という概念にほぼ完璧にマッチしていた。 「頑張ってくださいね」 また笑顔でそう言って

  • 2012/05/23(水) 15:42:09 |
  • まとめwoネタ速neo
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