バードの麻雀雑記帳

天鳳(チャオってなければ鳳南に居ます)やその他の麻雀記事を集めた雑記帳です、乾きまくった麻雀砂漠に水を掛けてやりたい…

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ラストスマイル 第7話

横浜で普通電車に乗り換えると、五分ほどで最寄り駅に着いた。

よく「どうしてこの街に住んでいるの?」と聞かれることがある、そう聞かれるのは周りの環境がお世辞ににもいいとは言えないからだ。様々なネオンが輝く風俗店や怪しい店がひしめく街、確かに学生の一人暮らしには向かないだろう。

ならどうしてこの街に住み始めたかというと大学受験に来た時にこの街のホテルに泊まったから、というものでしかない。初めて来た時のこと、予備日が一日あって近所のパチンコ店に行ったら当時の小遣いの十ヶ月分のコインをスロットマシンが瞬く間に吐き出した。それで焼き鳥屋でビールとコップ酒で祝杯をあげたのを覚えている、それで大学に受かったらその時のたまたまでしかない出来事が印象に残っていてこの街に住むことにした、それが真相だ。

あぁ、彼女と最初に飲んだのも焼き鳥屋だったなと思い出す。彼女も同じことを聞くんだろうか?

「いいねいいね、この感じ。なんか猥雑でさ。私、こういう雰囲気好きだな。いかにもアウトローが住む街だよね」

大方予想は出来たがやはり、彼女は今まで出会ったどの女性の感性とも違うらしい。

「ちょっと、オレは別にアウトローを気取ってる訳じゃないから」

慌ててそう言うと

「よくそんなこと言うよね」

と返して笑う。「まいったな」なんて言ったものの確かにオレもこの街の雰囲気は嫌いではない、アウトローかどうかは別にしてもこの街は自分に合っているような気がしていた。

「まだ歩く?ちょっと買い物したいな、お世話になるからお酒でも一本買っていくよ。あっ、これは絶対ね」

「もう着くよ、けど途中にスーパーがあるからそこに行こう。酒かぁ、カンパリって好き?」

「美味しいよね、好きだよ」

「じゃあそれをお願いします」

彼女のことは何も知らない、ただ言い出したらそれを曲げない印象があったので素直に甘えることにした。

スーパーに着く、コンビニ程の広さしかないが値段が安いから週に最低三回は利用している店だ。酒のコーナーに行くと、カンパリの大瓶がいつもの場所に置いてあった。

「この店はいつ来てもカンパリを置いてくれているんだよ」

「えっ、どうして?」

確か―、数ヶ月前の話だったと思う。帰りに寄ったらカンパリが無い、それで店員さんに尋ねたことがある。倉庫辺りにないかなと思っていたら在庫切れとのこと、なら諦めるのだが平身低頭に詫びられた。

それで、次回にこの店に来た時同じ店員さんに「カンパリ入荷しました」と告げられる。それ以来、この店にカンパリが無かったことはない。

こんな話をすると彼女は「いいお店じゃない」と頷いた。

「いや、多分この店では<カンパリ君>とか呼ばれてるんだろうな、それはいいことか分からないよ」

そう言うと彼女が吹き出す、そして「もう、笑わせないでよ!」と肩を叩く。そんなこんながあって、カンパリとちょっとしたつまみを買うと店を後にした。

「ここだよ」

スーパーから歩いて一分のマンションに着く、何の変哲もないワンルーム・マンションだ。

オレの部屋は六階にある、エレベーターに乗った。

「…」

オープンな空間なら軽口も叩ける、だが極端に狭いこんな空間だとなぜか緊張してしまう。これも自分の困ったタチだった。

無言のまま部屋の前に着く、鍵を開け「どうぞ」と彼女を先に入れた。

「お邪魔します」

彼女が中に入っていく、入り口にあるスイッチで電気を付けた。

そういえば―、女性がこの家に来たのは三ヶ月ぶりか。大恋愛(といっても二年程だが)をした大学の同級生が来た時以来だ、実は今日キャンパスで「会いたくないな」と思っていた。

「私と麻雀どっちが大事なの?」なんて聞かれたことがある、それに対して「比べる次元が違うからなぁ、どっちも好きだとしか答えようがない」などとのたまったものだから揉めた。

「嘘でもいいから私ってどうして言ってくれないの?」こんな言葉を残して彼女はオレの前から居なくなった。

結局、どこまでも誠実であろうとした彼女とどこまでも不誠実な自分が分かり合える訳もなかったんだろうな、と今になって思う。

だがこんなことを思う一方、失恋の痛みというのも人並みには感じていたようで、それを忘れるためかとでもいうように麻雀狂いがさらに加速したのだった。

じゃあ―セナはどうだろう?麻雀狂いなオレを嫌うだろうか?いや、むしろ好きになってくれはしないだろうか?何も知らない彼女にそんなことを期待する自分も居た。

「男のコの一人暮らしにしては綺麗な方じゃない?及第点かな」

ほんの数秒の間だった思う、彼女の言葉で回想から現実に引き戻された。

「そう?ほとんど最近居ないからね。あっ適当に座って」

彼女はパソコン机の椅子に腰掛けた。オレは酒と割り物しか入っていないような冷蔵庫から必要なものを取り出し二人分のカンパリ・オレンジを作って彼女に手渡した。

「乾杯」

どちらからともなくそう言ってグラスを重ねる、しばらく取り留めの無い会話をしつつ酒を飲んでいた。

ふと、彼女がパソコンを指差し言う。

「ねぇ、このパソコンってインターネット出来るの?」

「もちろん」

そう答えるといつもの笑みで

「じゃあ麻雀も出来るよね?」

こう言った。

「出来るよ。ちょっと待って」

パソコンの方に行く、そういえば今日はオレのせいで二本しか打てなかったのだった。彼女クラスは二本程度で満足する訳もない。

「最近ネトマで仕掛けの練習してるんだよね、じゃあ麻雀観変わるような愚仕掛けでもご披露するするかぁ」

そう言ってパソコンの電源を入れる、飲みながら打牌の品評会をするのも悪くない。

「じゃあ代わりばんこに打ちますか?」

いつも遊んでいるサイトにログイン。

長い夜は、まだまだ始まったばかりだった。
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ゲーム代に関する考え方

昔使っていた手帳が見つかった、毎年大学から支給されていたものなんだがそれに麻雀の収支が書いてあった。

行った店と収支、それと一言感想が書いてあるのだがある月の収支に驚く。

5月 +102500

これだけならなんてことはない、何が驚いたってこれは点5の店での成績なのである。

50円の店というのはある意味ゲーム代負けに行くようなものだ、それが分かり易く説明されているサイトがあったので是非参照してみて欲しい。

点5フリーでゲーム代込みで勝つことの難しさ

「なんて分かり易いんだろう」と思ってたら有名なHAZ氏の文章だった、氏のブログは実に読み応えがある。

HAZの研究する人生

ここで本題に戻る。

なぜこんなケダモノ染みた成績が残せたんだっけ??

手帳には順位や回数は書いてない、だが1回で打つのはだいたい8本(数えている訳でもないがやめようと思うのがいつも8回だった)くらいだった気がする。

手帳によるとその月は28日も雀荘に入り浸って行っていた、書いていて恥ずかしいw。間違いなく学校より行っていた。。

1日の最大勝ち額は18000円、負けは9000円。てか負けた日は3日しかない、後は額の大小はあるが勝っている。

仮に毎回8本ずつ打ってたんだとしたら計224本、打ちも打ったりだが調子良かったからこそこんだけ通ったんだと思う。

「ふっ、昔のオレは強かったんだぜ…」

とかは思わない、だが今もう1回出来るかと言われれば全く自信がない。

まぁ、こんな月があった、というだけ。翌月はキッチリ負けている。

「ゲーム代最強説」はやはり揺るがない。

なので今のスタンスは以前先輩に教えてもらった考え方に基づいている。

それは「点5は1円でもゲーム代を0に近づけるゲーム」というもの。

「勝とう」という考え方自体が間違ってるんだろう…。

今回はなぜ序盤でちょっとした自慢話のようなものを書いたのかと言うと―

今日ちょっと時間が空いたら天鳳で1半荘やってラス、というのをたったの5回繰り返したからだ。

過去の栄光にでも縋らなければやってられなかったのである…。


↓勝ってるけど負けてるって不思議な現象の起こる点5バンザイ!って方はクリック!

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麻雀を続けるための格言

相変わらず不調が続いている、最近一番多く取っている順位がラスなのだからどうしようもない。。

「打ち方が悪いんだろうか?」そう思う、だから牌譜も検証したり。細かいミスは多いが致命的なミスはしていないか?と自分に甘く考えてみる、だがやっぱり成績はついてこない。。

「打ち方を変えるべきだろうか?」こうも思う、だがこれは前々から何も変えないことにしてるから実践していない。リャンメンはリャンメンで曲げていいんだと考えているのであえてバッタにしてみよう、こうはどうも思えない。

燻ぶる時間が続くと…何が正解か分からなくなってくる。趣味、というか遊びの範疇なのにストレスが溜まる。

「しばらく麻雀から離れてみようか?」こんな「少し離れてみたらお互いのこと考え直せるよね」的な末期のカップルのようなことも思う、しかしパソコンに向かってて煮詰まるとついまた始めてしまう。そして―負けるのだ。

八方塞の様相、出口は見えない。

そしたら―ふと、たまたま麻雀系のブログを読んでたら救われるような言葉を見つけた。

あまりに心を動かされた、なので勝手に引用させて頂きたいw。

1 

「1000回に一回しか起きない不運が起きたー」等良く言いますが、
麻雀は「1000回に一回しか起きない不運」が1000よりはるかに多くあるので、
ぶっちゃけ結構起きます。



これは「ぐっさん」という麻雀研究家の方の「不調と不運」というコラムにあったもの、しみじみ「そうだよなぁ」と思い心が洗われるような気になった。

ぐっさんの統計麻雀研究室

 麻雀は相手との駆け引きゲームじゃない。自分一人でアガリに向かって進むゲームなんだよ。セックスじゃない。オナニーだ。そこで欲望に負けてセックスし始めちゃ駄目なんだよ。4人が勝手にオナニーしあうゲーム。


こちらは高名な麻雀ライターである福地誠先生のブログより、言葉のチョイスは若干アレだがw実に麻雀というゲームの本質を表していると思う。

福地誠blog


こと天鳳に関して言えば最初の出来が良過ぎた、だからたまたまでしかない好調を自分の実力と思い込んでちょっとの不調でイヤになっていた。

オレもそれなりに長い期間麻雀を打ってきているのだから思い返せばどうしようもない不調なんていくらでもある、そのことを思えばなんてことはない。

箴言との出会い、これで新しい気持ちでまた向き合いたいもの。

なんだか―、極上のオナニー対局が出来そう。イヤでイヤで仕方なくなってたものが、ジワジワと楽しみになってきているのを感じていた…。
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ダブリーが入ってて九種九牌は流れるんだっけ?

こないだの実戦譜より、いつもと別のパソコンのためキャプチャーのやり方がよく分からず1枚だけ載せる。

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分かりづらいが下家の親がダブりーを掛けている、まぁ安全牌などない訳で畢竟北を打つことになりそうだが光ってるということは当たり牌だ。

そしたら対面が手牌を倒す、九種。

あれ??

ダブリー入っても有効なんだ、これってどうなんだっけ?確か以前フリーで出くわした時は流せなかった気がする。

レアケースだが天鳳ではこうらしい、今後のために覚えておこう。

因みに親の打点はチートイツの18000点、結果的には流してくれてよかった…。
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ラストスマイル 第6話

なぜか、彼女の目は少し潤んでいるように見えた。

「知りたいといえばそうかな、何にも知らないからね。ただ…、オレにとって幸せにならないような情報なら知らなくてもいいかな」

オレは、吸い込まれそうになる彼女の双眸を見据えて言った。

自分勝手かもしれないが基本的なパーソナルデータを教えてくれる程度ならいい、だがドロドロしたような過去の恋愛話などをいきなりされたところで自分にとってはマイナスにしかならない。

なら、いっそ何も知らないほうがマシだった。

「そっか、君にとっての幸せってなんなのか分からないけど私の話なんて聞かないほうがいいいもね」

彼女は少しだけ拍子抜けしたように言った。

「でもさ、じゃあ君のことも聞いちゃいけないかな?」

さらにそう聞かれたので

「特に面白い話はないけど知りたければ何でも聞いて」

そう答えた。それからしばらくオレの生い立ちに関する話が続く。自分で話しててもつまらない内容だと思うが彼女はそれなりに楽しんでくれたようだった。

「それにしても、私たちも不思議な関係だよね」

一通り話を聞き終えた彼女がそう言う、「あっ、こういう方向に行ったか」と思った。

オレはこういった類の話が苦手だった、「付き合ってください」だとか「あなたは僕の恋人です」だとかの言葉には何ら実体が無いと考えていた。空しいだけの言葉なら何も言わないほうがいい、当時はそう思っていた。

実体などなくていい、ただその言葉を言うだけでも違うのだということを何年か後に知ることになる、が、当時の自分はどこまでも意固地になっていた。

少し顔でもしかめていたろうか、場を取り繕うように彼女が「あっ、そんな深い意味じゃないから」とフォローしてくれた。

「あー、うん。麻雀はリャンシャンテンが一番面白いけど恋はイーシャンテンが一番面白いかな、なんてね」

聞かれてもいない言葉で隙間を埋めようとする、だがこの行為自体が空虚でしかない。

「もう―、こういう系の話はやめよっか?」

「そだね」

話すのをやめると店内のBGMがこんなに大きかったのかと気付く、二人の間には何とも言えない白けた空気が流れていた。

その後、仕事が一段落したさっきのバーテンがフレアを見せてくれた。新技というのはかなり派手で、視覚にかなり訴えてくるものだった。が、彼女もそうだったろうがオレも楽しんで見ることは出来なかった。

結局―、長くなるかと思われた会はハッピー・アワーの終わる頃には終了した。

駅までは数分の距離だ、このまま終わりかと思うと淋しいのだがさっきの白けた空気はまだ引きずったままだった。

「あのさ、今から君の家に行ってもいいかな?」

沈黙を破ったのは彼女の言葉だった、思わず聞き間違ったかと思うがそうではない。

「あっ、あぁもちろん。何も無い部屋だけどいいかな?」

「いいよ」

思いがけない展開になる、正直これっきりになってしまうような予感すらしていたからだ。

「じゃあ京急なんでこっちだよ、三十分くらいかな」

先程までの空気感はなんだったのかというほど自然に二人でホームへ、駅は帰宅ラッシュの乗客でごった返していた。

「混んでいるからあんまり話したり出来ないかもね」

そう予想していたのだが乗ってみると案の定乗車率は余裕の百パーセント越えでバラバラになって立っていた。

ふと、一人になって思う。

神秘のベールに包まれた美女のその奥を覗いてみたいという思いはある、だがそうするには自分は麻雀同様に臆病に過ぎるようだ。だが、これではなんにも話は先に進まない。

「自分のスタンスくらいははっきりさせないといけないよな」

そう一人ごちてみる、家に着くまでにはそうしたいもの。

しかしもうあまり時間もなくって―、気持ちばかりがこの時焦り続けていた。
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ラストスマイル 第5話

「ちょっといい?」

麻雀に集中していたオレの肩が叩かれる、ママだった。入り口の方を顎でしゃくる、どうやらこっちに来いということらしい。

雀荘の扉を出るとママが渋い顔をして立っていた。

「あのコって?」

唐突な質問に戸惑う、それに―、何て答えていいのかも分からなかった。

「あぁ、最近仲良くさせて貰っているんですよ。」

無難な返事をする。

「何してるコなの?」

「いや、知りません」

「知らないの?じゃあなんで一緒に来たの?」

「一緒に麻雀しようって話になってじゃあいつも来ているここに来ようかと、それで来てみたんです」

「アンタたち付き合っている訳?そもそもなんで知り合ったの?」

「付き合ってるというか…、池袋でたまたま同卓してその後たまたま一緒に飲みに行って、そのまま一緒に泊まったんですよね」

矢継ぎ早に質問をされて面食らいながらも正直に答える、答える内にそういえば彼女のことを何も知らないんだなと思う。

ママはウンザリしたような顔をしている。

「アンタねぇ、あのコだけはやめときなさい。あのコはなんであんなに麻雀が達者なの?相当やっているわよ、麻雀に狂った女のコになんてロクなのがいないんだから」

断言するように言う。麻雀人口の比率で男が圧倒的に多いから女性が目立つだけだろうと思う、こんなゲームで身を持ち崩すのは男の方がよっぽど多いだろうと思ったが黙っておいた。

「いい?あなたは前途ある身なんだから変なコに引っかかっちゃダメなんだからね」

諭すように言う、ママやマスターはよくこんなことを言ってくれるのだが自分ではどうしてもそうは思えなかった。人生という一番大きなゲームの中のかなり重要な場面で、こんなゲームに狂っている奴に前途なんかある訳がないだろうと思う。

ただ、子どもの居ないマスター夫妻が息子のように可愛がってくれているのも知っている。その感情を察すると余計な心配を掛けるのも本意ではなかった。

「これからいろいろなこと知って行きたいなぁと思っているんですよ、ぶっちゃけどんどん彼女のことを好きになっているんです」

オレの言葉にまたママは眉をしかめる。

「いい?今日はもう帰りなさい。悪いけどあのコと来たってうちでは打たせられないから」

宣言するように言うと、もう話は終わりだと言わんばかりにママは店に戻って行く。理不尽なものを感じないでもなかったがオレも続いて店に入った。

「すいません、これでオレら帰るんでラス半にしてください」

戻るなりそうマスターに言う、皆「えっ?」という顔をする。

「どうしたの?まだ二本目だよ?」

彼女が聞いてくる。

「いいからさ、これで帰ろうぜ」

少し語気を強めてそう言うと彼女は小さな声で「分かった」と言った。こんなやり取りがあったからだろうか、さっきまで笑いに包まれていた卓はすっかり静かになってしまった。

そして―、彼女はラスを引いて黙って席を立った。

店を出て「ゴメンね」と彼女に言う、彼女は急なラス半の理由を聞こうとはしなかった。

「ちょっと飲むには早いな、五時からなら安いとこ知っているんだけど。今日は急に麻雀終わりにしちゃって申し訳ないから奢るよ、さっきのラス分くらいは飲んでいいよ」

気まずい空気をかき消すようにそう言うと彼女は少し微笑む。

「じゃあ五時まではいいんだよね、そういえばさ、君の大学ってここから近い?」

あまり気を悪くはしてないようで一安心した。

「行けなくはないよ」

質問の意図がいまいち分からない

「今から行ってみようよ、私すごい行ってみたいんだ」

気まずさなど最初から無かったように笑顔で言う

「いいけど、特に何も無いよ」

「いいの、行こう」

手を引かれて大学に向かうことになった、徒歩で二十分くらいの距離を歩く。麻雀の話はしたくなかったから違う話でお茶を濁していた。

大学に着く、キャンパス内には多くの学生が居る。時計を見るとちょうど休み時間だった。彼女を見ると珍しげに辺りに視線を走らせている、オレは―、いつも通り特に何も感じなかった。

大学生って普段どうやって過ごしているのだろう?入るまではみんなテニスでもやってるのかと思ってた、けど実際はそんなこともないらしい。一つだけ思うのはオレとは違う時間が流れているんだろうなということ、「どちらが幸福なんだろう?」通り過ぎる同級生たちを見つめながらそんなことを考えていた。

「キャンパスに来たの久々だな、私の大学とは違うね」

一通り眺め終わった彼女が言う

「あぁ大学生だったの?」

先程も言われたことだがやはり彼女のことは何も知らない。

「去年まではね、中退。○○女に行ってたよ」

国立の女子大の名前を言われた、オレの大学なんかよりよっぽど上等なところだった。

「後学のためにどうして辞めたのか聞いていいかな?もしや麻雀が原因だったりして?」

冗談めかして聞く

「残念ながら麻雀じゃないんだなぁ、私さ、女の子と居るの嫌いなんだよね。なんでも一緒にしなきゃ落ち着けない人ってのが実に多いんだ。そういうのに出来るだけ関わらないようにしてたんだけどクラスとかあって中々難しくてさ、だから面倒になって辞めちゃった」

あっけらんかんとした顔で言う、あまりにさっぱりし過ぎていて思わず笑ってしまった。

「なんか君らしいね、よし、そろそろいい時間だからもう飲みに行こう」

「奢ってくれるんだよね?」

「言ってしまったものはしょうがない、ただし七時までね。」

「何それ?まぁいいや」

大学を出て品川駅まで歩いて戻る、プリンスホテルに併設している行き着けのアメリカン・バーへ行った。

「いらっしゃ…、あぁいつもどうも。カウンターですか?」

顔なじみのバーテンに聞かれた

「うん、二人」

席に案内される、まだ時間が早いこともありカウンターは空いていた。

「カウンターなんだね?」

席に着くと彼女が聞いてくる

「うん、実は七時までがハッピー・アワーでドリンクが安いんだ」

「なるほどね」

納得したようだった。

「いらっしゃいませ、今日は違う女性と一緒なんですね」

別の顔見知りのバーテンがニヤニヤしながらそう言っておしぼりを出してきた。

「あのねぇ、おしゃべりなバーテンが居たら即刻死刑に出来るって法律がもうすぐ施行されるって知らないの?君なんかすぐ終わりだよね」

歳が近いというのといつもオレが一人で来るからよく話すようになった、しかしだからといって余計なことをしゃべられてもかなわない。

「へぇ、そうなんですか。でも一緒に来る女のコも居ないような人よりよっぽどマシだと思いますよ」

彼女が言う、本心かどうかは分からなかったが早速気まずくなりそうだったから救われたような気になった。

「いいから生のパイント二つ持ってきてよ、あっ、それとあとでフレア見せてあげて」

「かしこまりました、新技があるのでご期待ください」

そう言ってようやく彼は居なくなった。

「何?フレアって?」

彼女が聞いてくる

「バーテンが瓶をクルクル回したりするの知らない?彼のトークはイケてないけどフレアは上手でさ、世界大会に出るのが夢なんだって」

「あっ、あれ?生で見るの初めてだな、楽しみ」

笑いながらそう言った。一人で飲んでいる時によく見せてくれる、素人目に見ても彼の技がすごいことは分かった。新技を成功させたりするとドリンクを出したり、最近ではフレアを見るのもここに来る楽しみになっていた。

「お待たせしました」

ビールが運ばれてきて乾杯、いつものことだが炭酸が食道を焼くような感覚が心地いい。

「さっき雀荘でさ、奥さんに何か言われたの?」

まだビールに口を付けたばかりのタイミングで唐突に聞かれた

「あっ、うん…。君のことをなぜか聞かれてさ、何も知らないって言ったら呆れてたよ」

卓に集中しているかと思ったら気付いていたらしい、何て返したらいいか咄嗟には考えることも出来ずありのままを答えていた。

「そうだったんだ」

そう言って彼女がこちらを向くのが横目で分かった、オレもそちらを見ると彼女の大きな目と視線がぶつかる。

「ねぇ、もっと私のこと知りたい?」


「えっ?」

またなんて答えていいか分からないようなことを聞かれる、今日はそんな質問をよく受ける日らしい。オレは―どうしたいんだろう?

返事に詰まる。だがこの時一つだけ確信していたのは―

七時で帰るという選択肢だけはなさそうだなってことだった。
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天鳳のためにitunesをダウン・グレードしてみた

天鳳をプレイする時は画面を全画面にして無音の中やった方がいいんだろう、だがそれではなんとも味気無い。

最初は「このゲームって音楽無いんだな」と思っていた、だが設定出来ることを知り掛けてみる。

「うーん」、種類も少なければ単調。。

なので音楽だけはたくさんパソコンに入っているのでそれを掛けながらプレイすることに、itunesをランダム再生した。

余談だが1万曲を超えるライブラリには自分ですらまだ1回も聴いたことがない曲もw、思わぬ名曲に巡り合えるかもしれぬという淡い期待は持っていた。

しかし―

重い。。。。

自分のパソコンはもう5年を余裕で越すロートル、もちろんスペックも低い。

タスクマネージャーによるとCPU使用率はほぼ常時「100%」、天鳳もたまに止まったりする。

そして、事件は起きた。

大三元1


こんな配牌だった、ダントップ目なので染めなくても十分だけど勝手に染まりそう。

大三元2

こんな聴牌になり安目の1が出る、高目が役満で安目が10本折れの倍満なんて中々無い。


しかし、スルー。もちろん役満なんて幻想に魅せられて見逃した訳ではない、そんな道楽はオレにはない。

そう、この時―

オレは落ちていた。。。。

ラモーンズの若過ぎるライブテイクだかを掛けてて急に止まったんだったと思う、画面がしばらくフリーズして「アプリケーションとの接続が切れました」との表示が。

大慌てでitunesを切って再入場、戻ると次局に入っててオレの点数は増えていなく(むしろ減っている)て上家が親満くらいツモったようだ。

後に牌譜を検証。

大三元3


ガーン。本来起こらなかったあがりを生ませてしまった、どうやら落ちていると「自動和了」は効かないらしい。

そして結局―

大三元4


チーン。本当にありがとうございました。

これじゃあんまりと対策法をググると「ダウン・グレード」という方法を知る、早速やってみることにした。

OSがXPだとバージョン7くらいがお似合い最適らしいのでそれに、なんとも懐かしいような画面と再会した。

まぁ、それでも6割くらいの時間が相変わらず使用率100%。。

いろいろやってみたけどパソコン買い換えるのが一番早いってことなんだろうな…。


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天鳳始めて麻雀格闘倶楽部はお休みすることになりました

そもそも麻雀を始めたのは麻雀格闘倶楽部がきっかけだった…。

足掛け9年程このゲームをやって来たんだが天鳳を始めたのを機にしばらくお休みすることにした、理由は簡単で1回ごとに料金を払うなら500円で1ヶ月打ち放題のほうがいいから。

最後にプレイした日、記念に携帯で成績を撮ったので載せる。

格闘倶楽部総合

8000戦もプレイしているじゃないか…、どんだけヒマだよ。

振込み率が高い割にあがり率があまり高くないのが気になる、後何度も言っているがホントに役満には縁が無い。

次にここ最近の主戦場、半荘リーグの成績。

格闘倶楽部半荘


こちらは麻雀のルールを覚えてからだから成績がいい、しかし振込み率はもっと少なくていいと思う。

後はやはり役満、1200回くらい打って1回って…。


このゲームを始めた頃はチャンタと純チャンの違いすら知らなかった、ツモスーリーチを出あがりして「なぜ満貫しかないの?」って本気で思っていたw。

半荘1200回しかやってないのに後の6800回は何やってたんだっけ?と思う。そういえば最初は東風戦しかやってなかった、因みに黄龍に上げるまでに東風1000回くらい掛かった気がする。。

よくやったもの、周りでたくさん打ってた人たちも大多数は様々な理由で卒業してしまった。

オレもその時期が来たのか―

と思いきや天鳳に鞍替えしただけ、全くいつまで経ってもオレだけ成長が無い。

とは言えホントに様々なシーンでこのゲームと接してた、懐かしい。

ゲームセンターの麻雀はこれで一区切りにしたい、だが人生で多分一番多くプレイした思い出のゲームだけにふと思い出せるようにしよう。

今日は、そんな意味での日記である…。
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ラストスマイル 第4話

くだらないだけのメールをようやく送る、「本当にあのメールでよかったんだろうか?」とも思いつつベッドに座ってウィスキーを飲んでいた。

家に居てもすることがない、最近はシャワーと寝るためだけに帰ってくる部屋と化していた。手持ち無沙汰を誤魔化すようにギターを手に取る、だが、昔あれだけ好きだった時間が今はどうもハマれない。

トゥルルルトゥルルル~♪

メール着信音が鳴る、競馬好きな友達に貰ったものだ。馬券売り場で支払いが可能になった時に流れる音源らしい。

画面を開くと期待通り、セナからだった。

<件名:お疲れ様>

<本文:初めてくれるメールが何切る?って珍しいね、私は親じゃなくてもドラ切るかな?ただ、赤が一つも無いのに運の細さを感じます。>

こんな内容だった、思わずニヤッとする。すぐに返信を打った。

<件名:実戦譜の結果>

<本文:オレもドラを切ったんだけどその後ドラを二枚河に並べました、そのうちリーチを受けてベタオリ。。あれだけ美人だと思っていた手牌はグチャグチャに、やはりオレにはあの手は高嶺の花に過ぎたようです。>

返信を打ちしばらくするとまたメールが来る、しばらくやり取りが続く。久々に手に取ったギターはいつの間にか部屋の隅にほっぽられてしまっていた…。

数日後―、また一緒に麻雀を打つことになった。オレが横浜で彼女が埼玉だから間を取って大学のある品川で待ち合わせた、JRの改札で落ち合う。

「久しぶり、って程でもないか。品川に雀荘なんてあるんだね」

「うん、最近ホントにそこにばっかり。品川までは来るのに大学は行けないんだよなぁ。とりあえず行ってみよう、こっちだよ」

嬉しいと思ってるのを悟られたら恥ずかしい、それをかき消すように歩きながら事務的にルールを説明する、どこにでもあるピンの1-3で珍しいことなど何も無いが話しているうちに店に着いた。

ドアを開ける。

「こんにちは、今日は二人なんですけど」

「おぉ…、今オーラスだから一人はすぐ入れるよ」

マスターが首だけこっちを見て驚いたように言う。確かに一人でしか来たことがなかった、しかも女性連れなのだから驚かれても無理はない。

「どうする?オレから行こうか?」

彼女はチラッと卓の方を見て言う

「せっかくだから私から行こうかな、いい?」

「もちろん」

順番は決まったのでドリンクを飲みながらマスターの麻雀を眺める。マスターは二着目で下の親に丁寧に牌を絞っている、それを見て「らしいなぁ」と思う。勝ちすぎず、負けすぎず、マスターの打ち筋はメンバー麻雀のお手本のようだった。

「ラストでーす、どっちから行くの?」

二着を守りきったマスターに聞かれる

「彼女から行きます、ルールはもう説明してあるんで大丈夫です」

そうオレが言うとマスターは黙って頷いた。

「よろしくお願いします」

彼女が卓に着く、オレはバックから文庫本を取り出し彼女の後ろに座った。そういえば彼女の麻雀を見せてもらうのは初めてだった。

対局が始まる、メンバーはスーツ姿の三十代くらいのサラリーマンと五十代、六十代と思しきオジサン。オレも何度も打ったことがある面子だがそんな大やけどはしなさそうなメンバーだ。

初めて見た彼女の麻雀は―、「豪胆かつ繊細」の一言に尽きた。少しでも出遅れを感じたり手が入っていない時には場況にずっと対応する、そうかと思えば親番に自信があると見るやカンチャンを即リーしてきっちり引きあがっていた。

「上手い、いや、強いな」素直にそう思う。ただ、その打ち筋は鉄火場の雰囲気を感じる。彼女の麻雀は間違いなく博打打ちのそれだった。

一回戦目は奮戦したものの彼女は二着、対面のオジサンがエグく裏ドラを乗せてトップを取った。チップの多寡が勝敗を決めるのがこのルール、だが競技麻雀なら彼女がトップだったろうなと思う。

チラッと横顔を見やると特に何も気にしてる様子はない、やはり相当色んな場面で打ち慣れているようだ。

「ところでよぉ、兄ちゃんたちはどこまで進んでんだ?リャンシャンテンか?イーシャンテンか?ん?」

トップを取ってすっかり相好を崩した対面のオジサンがニヤニヤしながら聞いてくる、「また始まったよ」と思う。

普段はちょっとでもツカないとチッチッなんて舌打ちばっかりするし牌の扱いも雑になる、だがちょっとでもノッてくるとベラベラと喋り出す。しかも話の内容が金と女の二択しかない、オレはほとほと閉口していた。が、この人には元々品性がフォーマットされてないんだと思うと全く気にならなくなった。

オレだけだったらいい、だが今日はセナも居る。おかしな質問をされてオレはただただ苦笑するしかなかったんだが彼女はサラッと言った。

「あぁ、テンパイまでは早かったですよ。ねっ?」

こっちを見ながら微笑みを寄越す、彼女の言葉に些か驚きつつ「あぁ、うん」と返し質問の主を見るとキョトンとした顔をしてる。なるほど、どうやら役者が違うらしい。

「あっ、あぁ。そうなのか。じゃあ君らはチートイツみたいなもんだな、うん」

タジタジだったオジサンが苦し紛れにそんなことを言う

「それってあんまり巧くないですよね?」

オレがそう言うと卓が笑いに包まれる。

やっぱりホーム店であるここに連れてきてよかった、と思う。そして―ますます彼女に堕ちてゆく。

だが、店内に一人だけ笑ってない人が居た。その人は音もなくオレに近寄って来た…。
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放銃≒放縦

半荘一回で何回の放銃をしたことがあるだろうか?自分も数えたこともなければ特段意識してしたこともないんだけど。

今日はそんなお話。

ある半荘、相変わらず手牌は湿っていた。友人と打つために1ヶ月で7段になりたい!と文字通り寝食を犠牲にして鬼打ちしたものの5段までしか行けなかった。

そして、ここで急にストップ。理由は分からない。半荘30回でトップ2回とか、正直ちょっとイヤになっていた。

これが噂の「地獄モード」ってヤツ?いや、まさかな。好不調は誰にでもあるものだ、それにオレはそう言った類の話は信じない。

気持ちの上ではもうやりたくはないんだが半分惰性でまた対局を開始した。

連1


1回目、1000点を打った。

連続2


2回目、ドラが暗刻になりオリられなく(オリたくなく)なって3900点を打つ。

連続3

3回目、追っかけるか迷って八で放銃、因みに五を一発目に掴んでしまっている。1300点。

連続4


4回目、親リーにスジを追って放銃、裏も乗って7700点。

連続5

5回目、そろそろ心も折れてきた所でこの形から三をうってしまった。1000点。

そして―

連続終わり


チーン。画像の左になぜか残った「ツモ」という文字が哀愁を誘う。


たった半荘1回で5回放銃、これはちょっと記憶にない。。

いっそ―、トンでしまいたかった…。

日記を書こうと思い「ほうじゅう」を変換しようとすると「放縦」と出る、「あぁ、なるほど」と思う。

放縦…勝手気ままに振る舞う・こと(さま)。

好き勝手に打ってるから振り込むんだ…、ここら辺を正さないとこれ以上上手くなることも出来ないだろう。


また、最初からだ。

頭では分かっている、ただ―

もうちょっと優しくして貰えませんか?と、つの氏の優しさを無遠慮に期待している愚かな自分もいるのだった…。



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ある日の天鳳 (初メンチン) 1

この日記は100回に1回の会心のあがりでどや顔をし、10回に1回のヌルヌル放銃を晒し笑いと憐憫を誘うためのものである。

今日は1回目なので会心のあがりから。


初メンチン


(´◉◞౪◟◉)どやっ♪

ただのメンチンじゃねーか!と思われた方、正解である。

天鳳初メンチンと配牌6枚からの驚異的ツモだったので。。配牌6枚はひょっとしたら記録かもしれない。

因みに入り目は八萬、すぐにリーチ者が掴んだ。

友達の後ろ見してて配牌4枚から食いチンイツをあがる、というのは見たことがある。

初めてのメンチンが記録だったので嬉しくって嬉しくって…、そんな記念の日記…。


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ラストスマイル 第3話

ピピピピピピ…

無機質な携帯のアラームで目覚める、今度は寝過ぎたのか今日も頭が痛い。

時計を見るとそろそろ昼という時間、「あぁまた語学の授業に行けなかったな」と思い出す。だがまだ欠席は二度目だ、三回まで休んでいいというならギリギリまで休まない手はない。それに、そもそも授業に行ける時間にアラームをセットしていないのだから最初から行く気がないんだろう。

午後からの少しだけ興味のある講義でも聴きに行くかと思う、準備をして家を出た。

電車での道すがら手帳を取り出す、麻雀の収支と簡単な感想を書いているものだ。おとといからか、<池袋、+一万、セナと打つ>。

ふと、自分の書いた文字に引き込まれる。

<セナ>

おとといたまたま同卓した女のコ、一つ年上らしい。誘われてそのまま飲みに行ってなぜか寝てしまったのだった。

それで昨日も一緒に麻雀打ちに行ってゲーム代負けしてきた、平均着順は彼女の方が上だ。その後また韓国料理屋で飲んでマッコリのカメを五個くらい空けて終電で帰ってきた。

あれは現実の話なんだろうか?そんなことを思う。だがポケットから携帯を取り出し電話帳を見ると彼女の名前は確かにあった。「何か気の利いたメールでも送ろうか?」こんなことを思うものの、なんて送っていいか分からない。

いろいろ思案していると品川に着いてしまう、電車から降りるとさっきまでの自分がなんだかとてもバカらしくなってしまい大学とは逆の出口から出た。

オフィス街のあるこちら側に何か特別なものがある訳ではない、自然と足を向けたのはまた雀荘である。本当に自分でも愚かだと思う、だが学校や見えない将来、おととい会ったばかりの彼女のことで悩んでいるくらいなら牌を握っているほうが気は楽だった。

結局―、この日も自分にそんな言い訳をして雀荘の扉を開けた。

「おぉ…いらっしゃい」

マスターが迎えてくれる、この店は五十代の夫婦がやっている店だ。子どもが居ないらしく普通の雀荘ではありえないほどオレはよくしてもらっていた。

初めて来た時だったろうか、マスターに聞かれたことがある。

「学生?うちは学生あんまり来ないんだけどどうして入ってみようと思ったの?」

こんな質問をされた。

「えっ?麻雀って看板が出てたからですけど…」

思ったままを答えると

「ハッハッハ!そこに麻雀という看板があったからか、うん、こりゃいい。傑作だ」

そこまで面白いとも思えなかったがこんなやり取りで気に入られたらしかった。

マスターとはこんな話をしたが<ママ>には最初からよくして貰っていた、当時はいつも青っちょろい顔をして打っていた。心配したママが手製の料理をサービスで振舞ってくれたことがある、それを「美味い美味い」と綺麗に平らげてから気に掛けてくれるようになった。

とにかくこの雀荘、今まで通ったどこの店とも異質だったのである。ご飯はいつもタダだし帰りには「アンタは外食ばっかりだから」と保冷剤で包んだタッパに豪華なおかずを入れて持たせてくれたりもした。この夫婦に招待されて品川プリンスで食事をしたこともある、本当にいつも気に掛けてくれた。

さらには負けて帰る時に階段までママが送ってくれて、エプロンから一万円を寄越したこともある。だが、さすがにこれは断った。

仕舞いには翌年から授業時間限定で出入り禁止にされた、雀荘を出禁になったのは後にも先にも初めてのことだ。

当時はこれ以上はないというくらい麻雀に狂っていた、だからだろう、田舎から出てきて<東京の両親>のような人を見つけることが出来たのが雀荘というのはある意味必然なのかもしれなかった。

「もうすぐ入れるからちょっと座ってて」

マスターに声を掛けられる。オレが入ることになるのは地元の自営業のオジサンと近くの大企業のサラリーマン、この店のメイン客層の卓。

五分ほど待って卓へ、だがどうにもこうにもチグハグな感じだった。縦のキャッチも横のキャッチも上手くいかない、こんな状態で点棒が入ってくるほど甘いゲームでもない。

何回か連続で逆連帯を繰り返す、「ハァ」と自然とため息が漏れる。

「ちょっと、ため息ばっかりついてどうかしたの?」

ママに聞かれる

「あれ、ため息そんなついてました?いや、何でもないッスよ」

空元気でそう答えた。

「若い男がこんな悩むって言ったら…、オナゴのことだろ?」

テンパイ気配を察知したり他人の気分を害することに関してまったく鈍感な対面のオジサンが口を開く、こんな時だけはやたら鋭い。

「あら、そうなの?若いっていいわねぇ」

ママが笑う。

「ホントにそんなんじゃないですってば、けどどうにも元気が出ないのでこれでラス半にします」

そう告げて麻雀に集中しようとする、だが最後まで入り込むことは出来なかった。この日は―、結構負けてしまった。

「隠し事しちゃダメよ、何でも言っていいんだからね」

帰り際ママにこんなことを言われる、ホントにどうしたんだろうか?

「明日には治りますよ、じゃあまた」

店を出て帰りの電車へ乗る、もう帰りたかった。すっかり暗くなった景色を車窓から眺める。

実は―分かっていた。卓についていた時から彼女の、セナのことばかり考えていた。

この気持ちは何なんだろうか?自分でもよく分からないのだが意識はどうしても勝手にそちらを向く。

自分に言い訳を繰り返しているが、自分に嘘はつけない。彼女にコンタクトを取ることにした。

携帯を取り出す、が、何て書けばいいかさっぱり浮かんでこない。

結局、家に着いてもまだ悩んだ末にこんなメールを送った。

<件名:今日の実戦譜より>

<本文:親の8巡目 33557(34567)五六七 ツモ4 ドラは7です、何を切りますか?>

さんざ悩んだ挙句のメールが<何切る問題>、勇気を出してメールを作ったものの、こんなものでどうしたいのかは―

この時自分でもよく分かっていなかった。
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ラストスマイル 第2話

体が相当疲れていた、だからかチェックアウト時間などまったく意にも介さず寝てしまった。目が覚めてようやく「あぁ昨日ホテルに入ったのか」と思い出した。

ベッドの隣にセナは居なかった。

「おはよう、起きた?」

洗面所の方から声を掛けられる。

「うん…、今何時?」

「もう10時だよ、チェックアウト時間なんだけどあんまりぐっすり寝ているから起こさなかった」

「そうだったんだ、まったく起きようという気すらなかった」

こんなことを言うと洗面所から「ふふ」という彼女の含み笑いが聞こえてくる。

「何がおかしいの?」

「いや、ようやくタメ口にしてくれたんだなぁと思って」

たった一晩寝たくらいで<自分の女>のつもりにでもなったんだろうか?そんな自分に赤面しそうな思いを抱くが慣れない敬語を使うのも確かに面倒になっていた。

「もう―敬語はやめるよ、これからどうしよっか?」

この話題が続くとまた気恥ずかしいような気持ちになりそうで無理矢理話題を変える。

「お化粧が後二十分くらいかな、シャワーでも浴びてきたら?」

「じゃあ、そうするか」

洗面所の脇を通る時に彼女の顔をちらりと盗み見る、向こうも見ていたようで鏡越しに目が合うがすぐにオレが逸らしてしまう。その日初めて見た彼女の顔はやはり綺麗だ、昨晩のことを思い出すと―少しだけ胸が高鳴る。

シャワーから出ると彼女はすっかり身支度を整えてベッドに座っていた。

「今日学校は?」

出し抜けにそんな話をされて一気に現実に引き戻されたような気分になる、だが今はすっかり目は覚めているもののこれが夢ならその続きをもう少し見ていたくなった。

「そんな期待されている学生でもないから自主休講、君は?」

「私は…特に何も無いよ」

願っても無い答えが返ってくる。

「じゃあさ、麻雀でも打ちに行く?」

「実はそう言ってくれたらいいなって思ってたの、今日は負けないから!」

とびきりの笑顔で言われるとなぜか嬉しくなる、そうと決まれば話は早い。ホテルをそそくさと出た。

池袋の街はいつも通りの時間を刻んでいた、いつもはこの街の喧騒が嫌いでイヤホンが外せない。だがこの日はそんなこともない、いつもは一人の麻雀を打ちに行くだけの道中であるが隣には昨日出会ったばかりの彼女が居た。

「そういえば腹減った?」

彼女に尋ねる。

「うーん、そういえば少し。」

腹をさする仕草もいちいち可愛らしい。

「オレは何でもいいんだが君の嗜好がまったく分からない、何がいい?」

「なんでも、吉野家あるから入っちゃう?」

確かにすぐ先におなじみの看板が見えた。

「オレはいいけど君は牛丼っぽくない顔をしてるけどね」

「そんな顔ないよ、ほら行こう」

彼女が先に入っていく、行動的だなぁと思いつつ後に続く。

昼前の店内はまだ閑散としていた。

「オレは並を、君は?」

「私も並かな、けどいつも食べきれないんだよね。あっおビールはいかかですか?」

にこにこしながら聞いてくる。

「頂きましょう」

そんなことを言ってくれるコがオレは好きだった、というよりかは居て欲しいと思っていた。そういえば昨日から初めてのこと尽くしだ、まだよく知らない彼女に自分がどんどん惹かれているのが分かる。

ビールを飲みながら牛丼を食べる、彼女の箸は遅々として進まない。元々少食なのだろうか?それともやっぱりこの店じゃなかったんだろうかと思ってるとおもむろに彼女が口を開く。

「やっぱりさ、昨日と同じ店じゃないほうがいいよね?」

なんだ、そんなことを考えてたのか。

「そりゃそうだよ、二人で行ったら<いかにも>って感じだもんね」

彼女の言うとおりだ、何もあの店に居る常連たちの下司な好奇心を満たしてやる必要はない。

「だよね?私同じ服だからさすがに恥ずかしいなって…」

そんな視点もあったかと思う、今更ながら一緒に居るのが女性だという当たり前のことに気付かされた気がした。

「まぁブクロなら雀荘は腐るほどあるからね、―もう食べない?」

「うん、もうお腹いっぱい」

「じゃあ出よう」

しばらく街を徘徊して選んだのは駅の近くの百貨店の隣のビルにある店だ。看板に<現代麻雀広告掲載店>とある。レートは昨日の半分、五十円の店だった。

「ここでいっか、行ったことある?」

「ないなぁ、けど麻雀出来ればどこでもいいよ」

こんな会話をしつつ中へ、エレベーターがなぜか薄暗かった。

もう何十軒も行っているが新規の雀荘に入るのは毎回緊張する、しかも二人連れというのも初めて。意を決して扉を開く。

「いらっしゃいませぇ~!」

やたらと威勢のいいメンバーに迎えられる、そのテンションに些か気圧された。「二人とも新規で」とだけ伝えると「それではこちらでルール説明をさせて頂きます」とまたデカイ声で待ち席に案内された。昨日の店に比べたらだいぶ広いが時間帯なんだろう、二卓程度しか立っていない。

「当店は東南回しの半荘戦となっておりまして…」

お決まりの説明が始まる、どこにでもあるような普通のルールだった。

「今日は麻雀デートですか?」

説明が終わると先程のメンバーがそんなことを聞いてくる、長身で浅黒い肌をした彼はオレより少し年上だろうか。雀荘と言うより海でサーフィンをしてるような印象だ、インドア派で蛍光灯の光しか浴びてない自分はこんな人の前だと少し気後れしたような気分になる、女性と一緒だと尚更だ。

「えっ?まぁ…そうですかね」

モジモジしながら答える、ふと彼女を見るとなんともニヤニヤした顔でこちらを見ていた。なんだかいろんな意味で恥ずかしくなった。

「彼女さんはなんか顔赤いですね、大丈夫ですか?」

今度は彼女に問いかける。

「ええ、緊張しちゃって…」

澄ました顔でそんなことを言う、「さっきビール飲んだからだろ?」と言ってやりたかったが黙ってた。しかもそう言いながらこちらに笑顔を見せる、あぁ…<女はしたたか>ってこういうことなんだろうか?

「じゃあツー入りで卓立てますんでこちらへどうぞ」

そんなことを考えていると声を掛けられる、どうやら新しい卓を立ててくれるらしかった。

「お連れ様同士なので東西のつかみ取りでお願いします」

そんなルールがあったな、と思い出す。彼女に先に引くよう促すと西、オレは今居る場所に一番近い席にした。

ふと、「いいところを見せたい」などと思う。だがそんなことを思ったところで上手くいかないのが麻雀ってことはここ二年で嫌というほど分かっているつもりだ、「何をくだらないことを」、頭から追いやる。

「よろしくお願いします」

おざなりな挨拶を交わしこの日の、いやこの日もか。また麻雀が始まる。

オレは、いつもより少しだけ慎重にサイコロボタンを押した。
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ラストスマイル 第1話

この物語はフィクションであり実際の個人や団体とは一切関係ありません。


台風が猛威を振るうある日久々にある人から連絡を貰った、それは旧知の麻雀仲間からだった。もう知り合ってから六年くらいになる、話したのはもういつぶりだろう?最後はもう思い出せないくらい昔のはずだ。

出し抜けに言われた言葉、何年かぶりのそれはオレにとって驚きを隠せないものだった。

「実は、離婚しちゃってさ。私と子どもの二人になったんだよね…」




彼女と初めて会ったのは池袋の雀荘だった、オレが学校の帰りにフラッと入ったある店でたまたま同卓した時のことだ。

オーソドックスなルールの東南戦の店、彼女が居る卓にオレが入って麻雀を打った。何本か打って思ったのは「押し引きがはっきりしているなぁ」ということ。攻めるとなったらどこまでも攻め込んで来るし、オリとなったら地獄待ちの字牌すら出さない。オンとオフがこんなにはっきりとした打ち手も珍しく思えるくらい攻守の切り替えが上手であった。

自分なりの美学を貫いているような印象を受けた、だがある半荘のオーラスに自分がトップ目だったのだが3着目の彼女があっさりと仕掛けて1,000点であがった、ちょっと拍子抜けしたような感じだったが自分がトップで終了した。

その後彼女が帰ってオレは後一本打って店を出た、エレベーターを降りて外へ出ようとするとエントランスで先程の彼女に声を掛けられる。

「あっ、どうも。さっきの仕掛けってどうでした?」

こんな第一声に最初は戸惑ったものの、よくよく聞けば先程のオーラスのことを尋ねているらしかった。

「まぁ自分はトップだったんでいい終わり方でしたね」

思ったままを答える。

「ならよかった、トップで終わったのにちょっと驚いたような顔してたから気になっちゃって…」

「いや、気にしてなんかないですよ。楽しかったです、じゃあ」

さっきは気づかなかったが改めて顔を見るとかなりの美人だ、もう少し話していたいような気もするがこれ以上間も持ちそうに無かった。

「あっ、ちょっと待って。この後ヒマですか?焼き鳥の美味しい店知ってるんでよかったら行きませんか?」

唐突なお誘いに戸惑う、だが彼女の印象と焼き鳥屋のイメージがどうしても繋がらず面白そうだなとも思う。

「焼き鳥いいですね、行きましょう」

若干話が出来過ぎている、と思わないでもなかった。が、雀荘付きの美人局もないだろうと池袋の繁華街へ。誘われたこちらの仄かな疑念をよそに連れて行かれたのはいわゆる「赤ちょうちん」の店だった。

「生二つと適当に焼いてください、あっ生でいいですか?そういえば私セナって言います」

自己紹介をする、名前も知らない人と飲みに行くなんて珍しい経験だ。共通点と言えば麻雀、しかもそれだけ、思えば不思議な話だ。

「はい、生二つお待ちどおさん。あれ、今日はお連れさんが居るんですね」

店の若いマスターの言葉に彼女は「やだ」と返す、「適当に焼いて」にそれを感じるがどうやら彼女はこの店の常連のようだ。

「乾杯!そういえばいくつなんですか?」

「22です」

「なんだ、私のほうが年上なんだね。私は23、でもタメ口でいいから。大学生?」

大学名を告げる、彼女は「ふぅん」と返しながら髪をいじる。後々それが癖なのだと知るが、この時はさほど興味はなさそうに見えた。

「そういえばさ、さっきの一緒に打った2回目の東パツなんだけど…。いや、まずは麻雀歴から聞こうかな。」

ミュージシャン同士が初対面で「今まで何聴いてきた?」と聞きあうように麻雀で知り合った我々は麻雀との出会いから話すのが自然のようだった。

「フリー行き始めたのは二十歳くらいかな、それから三日とあけずに打ってますよ。もっと早いんスか?」

年上と聞いたとたん変な敬語で話し出す、これはどうしても抜けない自分の癖のようなものだ。

「私はねぇ、前の仕事が結構儲かる仕事だったんだけどすごい高レートで麻雀打つのね。最初は悔しくってリベンジしては返り討ちにされててさ、それでいろいろ学んでようやく最近負けが減ってきたかも。あっ、私もそんなことしてたの二十歳くらいの頃だよ」

「なるほど、気が合いますね。次も生でいいですか?」

「もう、タメ口でいいって。すいませーん、生二つ下さい」

ビールと焼き鳥の相性については疑いようもなかったがこの日も美味い、そういえば今日初めての食事がこれだということに気付く。麻雀に狂い出してからこんなのばっかりだ。

「あぁ、それで何でしたっけ?2回目の東パツでしたか」

空きっ腹に流し込んだビールが思いのほか効いてきたところで話を向ける。

「うん、あの時の手牌ってどんな感じだった?」

「あれ?どんな感じだったかなぁ。その局ってどういう終わり方でした?」

「私ともう一人の二人テンパイで流局、君はノーテンだった。」

すっかりアルコールが入った頭で思い出そうとしてみる、だがその手牌よりも「キミ」という呼び方になぜだがドキドキしていた。

「あー、思い出しましたよ。ピンフ系の手牌を手なりで進めていたけど終盤近くに初スジを1枚ずつ持ってきてオリましたね、確か2-5ピンだったかな。」

「やっぱり!私2-5ピンのダママン張っていたんだけど君に止められた気がしていたんだよね。どうして分かったの?」

「たまたまですよ、自分がクズ手だからオリただけです。あぁ、多分その半荘だと思うんですがラス前のリーチってどんな受けだったんですか?」

「あれはね、8ピンと二萬のシャンポン。すごくいいと思って曲げたらあがれなかったね、あっまさか止めた?」

「止めたと言うか…8ピンすぐ掴んでるんです、リーチって言われたから止まっただけで危なかったなぁ」

「また!けど役がないから仕方なかったんだよね」

こんな話が続く、ほんの数時間前のことなのに早速忘却の彼方へ行こうとしていたさっきの麻雀の記憶が話していると蘇える。麻雀は一人で打ちにいく、だからこんな振り返る機会が珍しくてなんだか嬉しい。

思えば、フリー雀荘で同世代の女性と打つ機会などなかった。行く店が悪いせいかもしれないがどこに行ってもだいたい自分より年上の人と打つことが多い、よく店の常連のオバサンなどはいつも男のオレにしょうもない下ネタを振ってくる。「照れちゃってかわいい」なんて言われても全く嬉しくない、だがそんなくだらない卓外戦術にすっかりやられていた。そういえば今日行った店だって雑誌などで広告を打っているいわゆる<爽やか>さを売りにしている店でもない。

「なんであんな店で打ってたんですか?」

ふとした疑問を口にする

「出来れば知らないとこでたくさん打ちたいんだよね、だってそれがフリー雀荘の魅力でしょ?」

「あぁオレも一緒ですよ、もう何十軒も行ってますから」

「えっ、まだ二年くらいで?すごいね、どんな店行った?」

またそんな話にひとしきり花が咲く、アルコールの力も加わってかなり自然に話せるようになっていた。

「あっ、もう十二時半なんだ。そういえばどこ住んでるの?」

「横浜です、帰れないならそれはそれでいいですよ」

「また麻雀打つの?」

「うーん、それは最後の手段ですよね。どうしよっかなぁ、まぁ取りあえず出ますか。帰れるんですか?」

「私?私埼玉だから実はもうとっくに帰れない、だから出来れば朝まで付き合って欲しいんだ」

こんな話を受け外に出る、そろそろ秋になろうかという時期で少し涼しくなって来た空気が上気した顔に心地よい。

朝まで居られるだろうということで近くのカラオケ店へ、フリータイムが無いとのことだったが無駄に歩き回るのも面倒で取りあえず入室した。

お店の人が気を利かせてくれたのか部屋はブラック・ライトで照らされたなんとも薄暗いとこだった。「何か歌ってよ」とリクエストされてロックのスタンダード・ナンバーを歌う。

「歌上手いね」

「バンドやってましたからね、けど最近は全く。もっぱらこっちばっかりですよ」

牌をツモる仕草をすると彼女はクスッと笑う、何故だろう?会ったばかりの彼女がどんどん魅力的に見えてくる。

その後はまた酒を飲みながらいろんな話をした、バーボンを飲んだりタバコも雀荘から吸いまくったせいか喉がいがらっぽくてもはや歌を歌う気分でもない。それよりも麻雀の持つ神秘性を語っている内に、それ以上に怪しく光る彼女のそれにオレはすっかり魅せられてしまっていた。

「もう出ますか?」

「そうだね」

当てもなくカラオケを出る、彼女はすっかり酔っ払ってしまったのかオレの腕にしな垂れかかってくる。肩くらいに彼女の体温を感じる、シャンプーの香りだろうか、なんとも言えないいい香りが鼻腔をくすぐる。

気付けば、いや、そちらにオレが仕向けたんだろうか。池袋のホテル街を歩いていた。

<流れ>というものが麻雀にあるのかは分からない、しかしこの場面ではこのままどこぞのホテルに入るのが流れであるかのように自分勝手に思っていた。

ある一軒のホテルの前で足を止める。

「…入りません?」

「…いいよ」

部屋の選択なんて面倒な手続きがあったが適当な部屋を選ぶ。思えばオレの最近の日々は全部が適当だった。学校に行ったり行かなかったり、食事もしたりしなかったり、寝たり寝なかったり。そんな適当な自分にはこんな恋の始まり方があってもいいのかとどこまでも自分勝手に思うことにした。

部屋に入る、こういうとこでありがちな安っぽい部屋だった。縺れるようにベッドに倒れこむ。実際―もう眠たかった。

「私と打った最後の半荘ね、君がトップだったからあんな仕掛けしたんだよ」

「それはどうも」

耳元で囁かれると眠たいとは言いつつ変な気分になってくる。

「後さ、いつもこんなことしてるなんて思わないでね」

「どうでもいいよ」

もう言葉を交わすのすら煩わしいというように唇を重ねる。

こうして―、出会ったその日にセナと寝た。
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人生初の経験

天鳳の打ち手は仕掛けて軽くあがれそうな手ならほぼ間違いなく仕掛けてくる。面前で仕上げてリーチ、なんて悠長なことはさせてくれない。

その局も自風の北を当然1枚目から仕掛けた、打点は1000点である。

競ってる下の親の連荘は避けたい、対面はホンイツで仕掛けている。上はチートイ?まぁ早い手ではないと思っていた。

シャンテンの段階で4枚目の北を持ってくる、打点アップとツモを増やすために「カン!」


すると事件は起きた…


チャンカン国士2





「Gya,gyaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!」


はい、「天鳳ってチャンカンあるよな?」とか思ってたんですが初めて出たのがこれでした。

自分「ト、トビです…」

上家「祝儀なくてラッキーだったな」

対面、親「ノータイムで切るとこだったぜフゥー」

上は6巡目で聴牌、オレは実は無駄に1巡だけ助かってるんだけど我慢出来ずorz

国士ってあがったことより打ったことのほうが多いんじゃないだろうか…。

↓「上家が国士気配だったからな」とオレなら止められたって人はクリック!
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天鳳を始めたきっかけ

きっかけは昔の雀友と久々にスカイプで話した時のことだった。

「そういや麻雀やってんの?」

そう聞かれて

「友達がパチンコ屋居るときに隣のゲーセンで麻雀格闘倶楽部やるくらいかなぁ?」

こう答えた。

もうかれこれ9年くらいこのゲームをやっている、学生時代にゲーセンでバイトしてたこともありいつも傍らにあるゲーム、そんな感じだった。

「まだアレやってんの?ダメダメ、時代はネットっしょ?」

格闘倶楽部もネットだろうと思ったが何も言わなかった。だがダメと言われれば確かに―ただ惰性であのゲームを打ち続けている感も否めない。

「そういえば昔東風荘やってたよ」

思い出したのでそう言うと

「プッ、お前そんなこと言ってると笑われるぞw」

見事に笑われてしまった。

「じゃあハンゲーム、あれもかなりやったなぁ」

チャットなんてしながらよく打ったものだ。

「ダメダメ、あれはおこちゃまがやるゲームだから。それに今もう卓立ってないぞ」

「じゃあ雀龍門?あれやってみたけどオレのオンボロパソコンだと重くてダメだったんだよ」

「違う違う、あれも強い人いないっしょ?時代は<天鳳>だから」

天鳳か―、聞いたことはある。けど確か有料だから敬遠してたんだった。

「やったことないな、お前強いの?」

「まぁ一応鳳凰民(作者注:7段以上の人しか打てない最上級卓で打てる有資格者の意)やらせてもらってるよね、オレの麻雀はそこで磨かれ続けてるから。ガチで強いヤツいっぱい居るからお前もやってみろよ」

「うん、考えてみるよ」

「鳳凰卓で待ってるからな(キリッ」

こんな感じで電話を切った。

見るだけ見てみるかとサイトへ行ってみると最初は無料で出来るみたい、名前を登録してみる。

「さて、短いのにしようか長いのにしようか?」

と思案してると<観戦>という項目がある、それを開くと友達の言ってた鳳凰卓の麻雀が観戦出来た。

早速一つの卓を開く、段が上の方が強いんだろうと10段の方の視点で見てみた。

すると…

「Tu,tueeeeeeeeeeeeee!!!!!」

なんと言うか異次元なものすら感じた、背筋に電流が走ったようだった。

455(一つが赤)に6をツモって来た場面、他に雀頭候補もある十分形な一向聴になった。

「ふむ、黒5を切っていいシャンテン形だなぁ」

とか思っているとその方は小考の末ツモ切る。

「エッ!???」

リーチも仕掛けも入ってない7だか8巡目の話である、クリックミスですよね?そうなんですよね??

だが―

他の雀頭候補を伸ばし最初の5を頭にしてリーチ、きっちり引きあがる。

「オレあがれてNeeeeeeeeeeeeeee!!!!!」

これは困った事態だった、オレの麻雀観が根底から崩れ去ってしまいそうな気になった。

「この手順を踏めるのが鳳凰民なんだろうか?」

そう思う、しかもこの方は観戦してた間ノー放銃であった。

「これは…やるしかないな」

思わずアツくなったのと無料というのもありスタート、最初は当然というべきか<新人>(10級)からだった。一番下の<一般卓>からスタート。

まぁ、ここはカオスな卓な訳でして…現代戦術に精通している打ち手もいれば「ルールぉk?」な打ち手も居た。

「まっ、まぁ最初からあんな強い人と当たる訳ないよね」

こんなことを思いながらプレイしていると徐々に級が上がっていく、「この感じいいなぁ」と思ってたら午前0時で打てなくなる。要はこれ以上プレイしたいなら課金して下さい、というお話らしい。

ゲームに課金ねぇ…

友達に携帯ゲームへ毎月結構な額を課金してる人が多くいる、オレはそれをやってないからその気持ちが全く分からない。それにネットゲームに課金するという行為に対して―ある種の背徳感のようなものすら感じていた。

だが、見せ付けられたあの麻雀の興奮に抗えるはずもなく…。。

翌日コンビニへ、俯きながら目も見ずに店員さんに「ウェブマネーください」とボソッとオーダー。オレからしたら相当な冒険だった。

すると

「あちらの機械でお願いします」

と入り口脇に設置された機械を指差される、リンゴ病並に赤面してウェブマネーを買ってきた。

こうしてオレは―初めてネットゲームに課金してしまう、大事のように書いてあるがたった500円であるw。

長い長い戦いはこんな感じで始まったのだった…。


追記:フラッシュ版は無料で出来るというのはこの1ヶ月後に知りました…、課金版の方がいろいろいいので結局これでいいやという気持ちになってます。
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初フリー~師匠編

このコラムを読んで頂いている方にはすっかりお馴染みであろう人物が居る、「師匠」と呼んでいる友人だ。彼とは18の時に知り合った、友人宅でオレはファミコンとかで握ってる時に隣の部屋で麻雀をやってたのが彼(今思えば彼が安い台でやってたのが信じられない)らだ。当時は麻雀をしなかったから何が面白いのか全く理解できなかった、なので彼と仲を深めたのは麻雀をし始めてからということになる。

同窓会の時に麻雀の話になり「オレも相当打ってるよ」のようなコトを言ったら彼が興味を示した、「お前向いてると思ってたよ」と言う。理由を聞くと「チンチロ強かったから」とのこと、あんなの腕もへったくれもないけど確かに当時勝っていた。それから「じゃあ打とう」ということになったんだけどまぁ強い、驚いた。

まず牌捌きからして相当なものである、凝視しても小手返しされたらツモ切りか手出しか分からない。右端からクルクルと回して左端まで回してまた戻すなんてのは初めて見た、後、房州さんがやる片手でパタパタと倒すヤツ(蛍返しというらしい)をキレイにやるのも初めて見た。まぁこんなのは小手先のものでしかないがどれだけ牌が手に馴染んでいるか、よく分かった。

後、麻雀格闘倶楽部をオレがやってると言ったら「オレもやってる」と言う。一緒に打ったらなんと全国ランカーであった、だが随分前にカードを面倒になって売っぱらったらしい。そのゲームでもやはり強かった、10000戦以上やってて勝率が3割7分とかなんだから相当なものであろう。

昔、オレが待ち合わせのゲーセンであのゲームをやってたら彼がやって来て後ろで見てた。そしたらリーチが入り無筋の牌を持ってきて一度だけ使える「長考」ボタンを押した。そしたら彼が言う、

「ん?何迷ってんの?」

「どうしようかなぁって。」

「行くにしろやめるにしろそんな牌は大通しでしょ。」

と言われた。そこから彼はリーチの手牌全部を読みに掛かった、雀頭まで言い切って見せる。そして手が開かれると一箇所だけ外れてたが後はそのまんま彼の言うとおりだった、マジックでも見せられたような気になったものだ。

「あぁ、ズレたか。」

と言うものの当時のオレには全く理解出来なかった話である、多分今でもそうだろう。その時は知らなかったけどフランケンの竹井みたいだなと今は思う、あのマンガで描かれてるようなコトをやっていた。

因みに彼は理系の人間である、かと言って所謂「デジタル」という気もしない。様々な引き出しを持っている、その数は計り知れない。

オレも彼のようになりたくっていつも色んなことを聞いた、けどいつも彼はマトモには教えてくれなかった。どうせ理解できないと思ったんだろうか、ヒントのようなものしかくれない。だから特に何も教わってないけど自分より絶対強いからという理由で「師匠」と呼んでいる。

あぁ、そういえば一つだけ教わったな。「発声は低い声で」らしい、なぜ?と聞くと「高い声の強い打ち手に会ったことがあるか?ないだろ?」とのことだった。決してそんなことはないと思うが彼に教わったのはこれくらいのものだ。

こういう具合で仲が深まり彼とはたまに一緒に打つ機会があった、彼は街のフリー雀荘に行かないからどうしても打ちたい時はオレが誘って無理矢理連れてったり。後はセットか、彼のせいでとんでもない台で打ったこともあった(詳しくは「誕生日祝いセット」の回を参照のこと)。

しかし―強い、半荘単位で上になったことはあるが全体を通して彼より上回ったことは一度も無い。最初は「アツい」とか思ったけど今ではもう思わない、ただ1ミクロンでも彼に近づきたかった。

人読みだとか体勢読みだとか山読みだとかある、これは上達すれば少しは身につくのかもしれない。が、彼に言わせると一番単純なのは打点(当然手牌も)読みらしい。まぁある程度まで行けば格段に上達するものでもないだろうからそういった部分での上達が必要になってくるのだろう、彼の精密な打点読みは何度も目の当たりにした。

オレがリーチを打っている、

「ゴーニーで勘弁してくれ。」

とロン牌を切ってくる。

「ロン、5200。」

苦笑しながらあがる、裏ドラも乗らなかった。「どうして?」と聞くと彼はニヤニヤするばかり、早目に打たれたリーチにベタオリばかりしてる自分にはやはり理解出来ないのだろうか…。

師匠列伝はたくさんあるんだけど中には書くのに適さないものもあるからまた別の機会に書きたいと思う。

何も教えてはくれないのだが彼の麻雀後とかにご飯と酒を何度もご馳走になった、吉野家だった時もあったがだいたい回らない寿司屋が多かった。

麻雀の話ばかりする訳でもなく飲みつつ雑多な話をする、彼も酒飲みだから大抵長っ尻。麻雀で絶対に追いつけない何かを持つ彼の感性はいつもオレの何かの琴線に触れた…。

会計、寿司屋の大将が

「二万でいいよ。」

と言う。彼が払って外へ、そしたら

「あの店ホントはこんなに安くないんだぜ。」

と彼が言う。

「負けてくれたのかな?」

と言うと

「バカ、オレらどう見ても金なんか持ってそうに見えないだろ?だからだよ。」

「確かに、ラッキーしたね。」

「結局―、あの大将にも何も見えちゃいないんだよ。」

「えっ?」

「いや、何でもない。」

確かにそう言った、こんな何気ない会話の中に彼の強さを学ぶ「ヒント」があるように思えた。

年明けに、同窓会で再会する。麻雀を打つか分からないけど是非打ってみたい。だけど―

麻雀から離れているオレの見せられるのは所詮「去年の花火」でしかないのは残念で仕方ないが…。


追記:そういえば彼とももう数年は連絡すら取り合っていない、そろそろお手合わせを願いたい。ネット麻雀で鍛えた腕がどこまで通じるか試してみたいものだ…。

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初フリー~一人反省会編

勢いに任せて初めてフリー雀荘へ、そしてリベンジを果たしたのがこないだまでの話。今回からは様々な場所で打った時代の思い出を。

当時大学生だった自分はだいたい前日に街の「当たり」をつけて出かける、そして学校が終わったくらいからその街に出向く。目的の場所に着くと、雀荘とバーを探しておく。電車も無い時間に負けたら非常用に取っておいた5千円で飲みに行ってた、非常用とは言いつつ何度出動したか分からない。

持ち物は雀荘用の服と種銭、服は一晩中雀荘に居ると自分から発してるとは信じたくないような香りを放つ。だから最初から違う服を持っていた、黒い上下、当時それを「戦闘服」と呼んでいた。種銭は普段の財布とは別のラッキーストライクの小銭入れとマネークリップ、台にもよるがそれなりには持って行っていたと思う。

そんなある日、負けた―。宵の口から打ち始めて27時にはオケラになった、そんな台の高い店じゃない、なのに牌にことごとく翻弄されて店を後にした。

当たりを付けておいたバーへ、まだ開いているのを確認して行ってみる。静かな店でよかった、とても騒がしい場所で飲みたい気分にはならないからだ。

「5千円しか無いんで安い酒お願いします。」

気取っても仕方ないので正直に言う、元はと言えば負けた自分が悪い。こうして出会ったのが「オールド・クロー」、今でも飲む度に負けた夜を思い出す酒だ。

後は今日の対局内容を振り返る、「あの牌が行けないならいつ勝負する?」だとか「あの放銃で今日は終わったな」だとか「あの手はリーチだったのか、ダマだったのか?」なんてのをひたすら反芻する、思えば二度と同じ手牌にもツモにも面子にも場況にも出会えないのだから考えても仕方ないのかもしれない。けど当時は随分長い時間そうしていたものだった、まるで―ヌルい自分に罰を与えるように。

「どうかされたんですか?」

出し抜けにマスターに聞かれる、

「麻雀で負けちゃって…。」

正直に答える。

「あぁ、てっきり失恋でもされたのかと思いましたよ。」

「同じくらいはツライですね…。」

確かにカウンターの隅っこで溜息つきながら飲んでる若造はそう思われても仕方ないだろう、変な客だったと思う。

気付けばマスターと二人きりになっていた、特に話しかけるでもなく酒が無くなる頃黙ってお代わりを注いでくれる。「まだ(お代)大丈夫ですか?」と聞くと「まだまだ大丈夫ですよ」と言ってダブル以上注いでくれていた、今思えば相当サービスしてくれていただろう。

大敗した夜、思えば心に余裕が全くなくなっていた。気付いたら既に朝、オレさえ帰ればマスターの仕事が終わるというコトにようやく気付いた。

「長居しちゃってすいません、帰ります。」

謝りつつ席を立つ、すると

「まだいいじゃないですか?それよりお腹減ってませんか?」

と尋ねられる。

「ホントに5千円しかないんですよ、もう頼めません。」

「いえ、私も食べる簡単なものですからお代は結構ですよ。それより麻雀は今晩を境にもうされないんですか?」

「いや、さっきまで100回くらいそう思ってたんですけど今からでも打ちに行きたいです。」

「そうですよね、いらしてから何も召し上がらないからそろそろお腹も減りますよ。それにこれからまた行くなら体力から負けてたら最初から勝ち目がないじゃないですか、すぐ出来るんで待ってて下さいね。」

そう言ってラザニアを出してくれる、涙が出るほど美味しかった。そういえばオレは雀荘で食事をすることがまず無い、打ちながら食べるのが好きじゃないし第一タバコの吸い過ぎで食欲が沸かない。だからか、麻雀の後に猛烈な空腹に襲われることがある。そういったことや、マスターの優しさに触れて頂いたラザニアはどんなものより美味しかった、あっという間に平らげた。

「4千円でいいですよ、また近くに来たら寄ってくださいね。」

そう言って送り出してくれた、雀荘は通いたいような店でもなかったがこれ以降ちょくちょく顔を出すことになった。

家に帰りシャワーを浴び、着替えて大学へ、もちろん種銭を補給して出かけた。当然一睡もしていない、が、早く打ちたくて眠っている場合ではなかった。

学校が終わるとすぐ雀荘へ、その日は手が軽く多分誰がやっても勝てるような展開。選択を間違えないで打ってられれば結果は素直についてきた、「お兄ちゃん、強いねぇ」なんて言われるが24時間以内にあんだけ大敗してきたばかりなのは黙っておいた。

「昨晩の何かが勉強になったんだろうか?」

こんなことを思うから負けた後のバー通いがやめられなかったのかもしれない、しかしあの無駄とも思える数え切れない夜が血となり肉となって体に刻み込まれたんだと思っている。

そして―、数年後知り合うことになる友人にこの話をすると「全く同じことをしてた」とのこと。彼とはそれ以降これまた数え切れないくらい麻雀を打ち、酒を飲んだ。

一人反省会が二人反省会になった、オレにとっても嬉しいことだ。ついこないだも彼と、「牌も恋人もよく裏切るけど酒は裏切らないからいい」と言って、笑い合ったのだった…。

追記:麻雀日記ながら麻雀がほとんど出てこないけどご容赦下さい。件のバーには1年ほど前に仕事のついでに行ってみた、そしたら表のドアに「貸店舗」とあった。いい店を失くしたものである、この日記を麻雀をしないから絶対に読まれないだろうけどさんざ世話になったマスターの東氏に捧ぐ。


追記2:酔っ払ってクダを巻いたこともある、いつでも柔和なマスターだった。年齢こそ違うけど横浜のセット雀荘のマスターとなぜかカブってしまう、共通点はどちらの方にも世話にしかなってないことだ。
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手積みでめっぽう考えさせられる

地元にも麻雀をしたいヤツは居る、けど面子が集まらないから出来ないってのが現実ってヤツらしい。

夜勤明けの元スタントマンが面子を集めて手積みセットがあった、オレは正直どっちでもよかったが久々に会える友人も居ると聞いて参加することにした。

他の2人は国家公務員コンビ、産業が壊滅的な田舎で安定を求めるならば公務員はズバ抜けている。一人は家が神主で定時で終わった後のパチンコ屋(地元のおよそ出そうもない店)が日課、毎月給料よりスロットマシンで稼いでるってんだから驚きだ。勝負事も安定感がある、羨ましい話だ。もう一人はもういつぶりか分からないくらいに会った、酒飲みで「キャバクラはカラオケ」と断言するw。独特の空気感を持ったヤツでそれが何とも面白い。

2人は学生時代に盟友ヒデボーイとかと麻雀ばっかりしてたらしい、それなりには打ち慣れているんだろう。スタントマンは手役派である。

ただ、経験値だけならオレが抜けているはず。例えばテンパイスピードだけなら確実に早いはずだ、まぁそれだけじゃ勝負は決まらないけど。先述のヒデボーイは「地元で打つなら勝ち切らないとウソだ」のようなコトを言っていた、そうでありたいがどうもそこまで自信家にもなれなかった。

そんな中開始、結果から言うと5回やって3,2、1,1,1。現状からすると大漁旗を上げたくなるような大勝、上手く打てたのかもしれない。

例えば2600の愚形でもここが妥協点とばかりにリーチが出来てそれが和了に結びつく、変に頑固にならずに素直に打てたのが勝因か。

まぁ勝負事ではあるが久々に会った同士ってのもあり話にも花が咲く、公務員コンビはそろそろ結婚でもするらしいが「優しさ」という本当の意味に気付かされたような気がした。中々こんな話をしながら麻雀ってしないものw、なんだか新鮮だった。

あぁよかったと思ったその1週間くらい後、スタントマンと友達の子どもの顔見に行ったら「麻雀しよう」と誘われる。正直気乗りしない、友達の子ども(♂2歳)は重機が大好き。土建屋さんが研修で見るようなDVDを喜々としながらエンドレスで見てるw、30台くらいミニカーで作ったお手製の「現場」で一緒に遊ぶのもオツなもんなんだが「今日しか出来ないから頼む」と懇願されたら仕方ない、また神主宅へ。

前回と一緒ならいっかと思ってた、だがこの日は…全てがチグハグなままだった。。

「牌勢」なんて言葉がある、文字通り牌の勢いってコトなんだろがなぜか全く無かったな。これはどうしてなんだろう?最初っから最後までずっとダメだった。。

こんな時は国士が入ったりするもんだが3巡目シャンテンで同巡ヤオチュウ牌のアンカンであがり目を潰されてしまう、終始こんな感じ。

親番で先リーに使い切ったと思って追っかける、45677に7ツモで。タンヤオ赤々でオリる理由もないが一発目にツモ4、「逝ったか」と思ったらやっぱり放銃。

「メンピン、おっと裏裏。7700!」

折れたら負けだと言う、しかしこの時辺りに「ボキッ」と何かが折れたような気がした。まだリーチは早かった?しかし4-7には受けられないし…、考えても仕方ないのにそんなコトを考えた。

友人たちの打ち方もかなり新しい、オーラストップ目で役あり愚形リーチとか平気で打って来るしオレのリーチに単騎だろうがなんだろうが突っ張りきられてしまった、「なぜ?」という疑問が沸いたが途中からオレには無い「新感覚」なんだと思えた。

3人がそういう感じで打っててオレだけいつも通り、要するに場には全く「マッチ」してなかったんだろう。「勝負手があがれなかったら負ける」、当然だ。勝って当然とは思ってなかったが負けて学ぶことも多かったと思う。

ラスすら引いた記憶が無かったってのにその順位率が2,5に収束するようにたくさん引けたw、こんな時はいくらやってもダメなんだろう。

最近の話だけど、麻雀からこんなに離れる日が来るとは思わなかった、気軽に行ける店すら無いとそんな気にならないものらしい。

「もっと面白いことなんてたくさんあるでしょ?」

ある友人に言われた、その通りなのかもしれなかった。それなりに長い間打ち続けてきた、それでもこんなズタボロになるんだからその程度にしかなれなかったのか?そう思うと、なんだか淋しいものだった…。

次は―あるんだろうか?その時はどんな気分で卓に向かおうか、それでも負けるのは嫌いだけど。いや、勝ったより負けた方が多いんだろうな。あぁ久々に麻雀のこと考えたらブルーにしかならない。。

同窓会だったら喜んで行くんだけど、麻雀したいってなら面子の関係で付き合うしかないってのも実情。

負けたくはないけど研究をしようとかも全く思わない、麻雀はとにかく時間がとても掛かる。そんな時間は到底取れない、身近にやることだらけってのもいいものである。

レトロな手積みセットで色んなことを考えさせられた、「自分にとっての麻雀って何だったんだっけ?」そんな根源的な問題すら考えさせられたw。

卓に向かう時のあの高揚感、忘れてしまいそうだ。けどまたドップリハマるのも違う気がする、妥協点はどこだ??もし、次があるなら―

つばめ返しでもして麻雀なんて終わらせてしまいたい、裏芸など全く出来ないくせになぜか今はこんな気分でいるのだった…。


追記:自己完結でもいいから納得やら妥協やら出来れば麻雀を打たなくてもよくなるとは今でも思っている、まだその境地に達していないだけだ。
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ジャイアンは勝てるか?

麻雀を打つ機会はめっきり減ったがそれでも時間があれば打ちに行くことも、が、もう何百回経験したことか分からないが自分の打牌が正着かどうか分からなくなっている。

人に聞くことは恥ずかしいことではないと思っている、でも聞くような人も居なくって…結局正解は出ない。。

最近友人が誕生日だったのでメッセージで祝福した、彼は現役の雀荘メンバーである。「最近どう?オレはまた分からなくなったよ」ということを書いたら返事が、以下原文のままである。

麻雀ダメですね、中途半端に見えることもあることがあるのが
逆効果になってどうしたらいいかわからない感じです。
悪循環に陥って我慢もできなくなってきてますね。
麻雀プロに身をおいてる人を見てもこんなもんかと思えるのが多いようですし
ここまで麻雀ダメだと全てに絶望してしまいます_ノ乙(、ン、)_

とのこと、彼の仕事で打ってるからこその「はいはい、麻雀はこんなゲームでしょ」というようなスタンスがすごい好きなんだが彼をしても迷うらしい。

試合が始まってから練習するスポーツ選手も居ないだろうが、こんな思いを抱えたままある日雀荘に行った。

卓に着くとどうもこの日も湿っぽい、必然的にオリ気味な進行。「ベタオリしかしてないじゃないか」と自嘲してるとたまにキレイな手が来る、「ここか?」と突っ張ると刺さる、どうやらまだ我慢しなければならなかったようだ。

ただベタオリしてるだけなのに神経を使う、ただオリるのも難しい。それに、上家の打牌音が頭に響く、毎回やたら強打してる。チラッと顔を見やると、オレと同じくらいだろうか?

その時の印象、地域限定ネタで申し訳ないが「ジャイアン」と呼ばれる人を思い出した。

従業員や同卓者への横柄な態度、横柄な麻雀。威嚇というか、威圧。しかも関西人、謳う謳う。

たったの三面チャンがあがれずに流局したら、「こんな簡単なのも引けないとか弱いわぁ」らしい。場に5枚でオレが6枚持ってるからツモれるはずもないんだが…。

あるオーラスにオレがラス目、ジャイアンが3着の時があった。オレが12巡目にリーチ、

23(567789)四五六中中 (5)と五が赤

出あがり5200で3位、ツモで2位。シャンテンが5巡続く辺りがやっぱりイケてない、どっからでもあがる気であった。2着とジャイアンはテンノーで変わる、当然前に出てくるんだろうと思ってたら意外と(2枚くらいは来たが)押してこない。

ジャイアンがハイテイ、あがれなかったかと思っているとと彼が長考に沈む。1分超待たされて打った牌は現物、結局並びは変わらなかった。まぁ、大体ラスはオレですよ。手を開くと

「やっぱりかぁ、普段やったら1,4ソーを一点でテンパイ取るのになぁ。」

と言う。オレのリーチで上二人が受けに回ったから新しいスジなどは殆ど開拓されていない、一点で読める道理はない(と思う)。仮に「直感」でそう思ったなら貫けばいいのに手を見てから言うのに違和感を覚えた。

痛恨のラスだったが引きずっても仕方ない、次の半荘に行くとまた口を開く。

「まっ、麻雀ラスだけは取らないのが大事なんで。」

と言う、グッと体温が上がったような気がした。

昔は―、打牌が極端に遅いじいちゃんが居るだけでイヤだったが最近ではそんなコトは無くなった。じいちゃんの携帯から安っぽい「六甲颪」の着メロが流れる、ふと携帯を見ると「ちょっと待ってくださいよ、それタイガース携帯じゃないですか?」。「そやねん、けど機能多すぎてちっとも使われへんのや」とのことw、楽しい方も多いと知る。

ジャイアンに、敬意を払えとは言わないが同じ卓でゲームするにはイヤな気がした。ラス半を入れる、これ以上やっても無駄だ。

オレは多分イライラしていたが、周りの人はすっかり萎縮してしまっている。すっかりジャイアンペース、これを狙っていたのならオレは分かりやすく術中にハマってしまったようだ。

店を出る、霧が掛かっていたような麻雀観に雨まで降ってきたような気分。

ジャイアンは強いんだろうか?ジャイアン打法は勝てるんだろうか?そして、自分はジャイアンに勝てるんだろうか?

全く望んでなかったがまた答えの出なさそうな問題を一つ増やす、ジメジメとした大阪の夏同様に湿っぽい麻雀の天気もまだまだ回復する兆しは見えないでいるのであった…。


追記:今でもイケてないトークをする同卓者は苦手、こいつとはこの後も何度か対戦した。結果はどうだったんだろう?結局はそんなに勝ち切ることは出来なかったんじゃないかな。。
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医学生との麻雀

以前日記に書いた現役O大医学部のバンドマンたちが打ち合わせで会社に来てた、それが終わった後に彼らと外に出掛けることになった。

彼らには担当者が別にいるのだがその女性とどうも彼らはソリが合わないらしい、なので前焼肉食べながら話してたようにオレが麻雀にでも連れてこうというコトになった。

「どこ行くの?麻雀?いいねぇ、僕もやったなぁ、バブルの頃。もう、コリゴリだよw。」

とは上司(P)の弁、相当な場を経験してきたんだろうなと容易に想像できたw。

梅田の雀荘へ、セットに来たのは初めてだ。あれ?いつもより混んでいる。

「女流プロが来ておりまして、セットは長く出来ないかもしれないですけどよろしいですか?」

とのこと、やはり需要があるようだ。移動も面倒だから卓へ。

そこで―彼らが4人とも学生証を準備している、あぁ、雀荘って学割があるんだったw。当然オレだけ持ってない、1人でも違ったらダメなんだろうか?

メンバーがそれぞれの学生証を確認、オレの方を見てくる、マズイかw?

「H(O)大の医学生さんやったんですね?」

「…今日はいい天気ですね」

と、肯定も否定もせず。まぁ浪人して入ったならオレくらいの歳のヤツが居てもおかしくはないだろうが、初めて医学生と勘違いされたのが雀荘だったのもおかしな話だったw。

何はともあれ学割にしてくれた、席決めをしようと風牌と白を出す。

「じゃあ白引いた人が抜けよっか?」

と、提案すると

「せっかくなんだから打って下さいよ、オレらで一人抜けますんで。」

とのこと。出来ればいいとこの一つも見せてみたいものだ、そうこうして対局スタート。

序盤、いつも思うのだがどこからがGOサインでどこからがストップサインなんだろうってコト。フリーならいつもだけど初めて打つ相手、自分の調子も分からない。

だがどうも手牌がまだ湿っぽかったんでどうしても引き気味で打ってた、そうするとリーチが入り当たり牌を握るのだが放銃することもなかった。

初戦は仕掛けた3900を一回あがり、後はずっとオリてただけでラッキー2着。

「地味だったねw、けどね…こういうラッキーあると次あたり爆発するかもよw?」

と、後ろで見てくれている彼に声を掛ける。

が、2回戦目は3着w。こういう適当な予測は当たらない、たまに当たったのを印象的に覚えているだけだ。だが、オーラス2着目で逆転手でリーチして3着の親に捲られた3着、そんなに感触は悪くなかった。

彼らは好きと言うだけあって、皆上手だった。たまに少し考えている時にとんでもないスピードで計算をしてる。「デジタル」なんて言われるけど彼らもそうなんだろう、が、奇跡のような確率に縋る医師というのもおかしいから至極当然のように思えた。

「考えるんじゃない、感じるんだ。音楽にも頭脳と感性がいるよ。」

なんて思考を簡単に停止しただけのようなコトを言ったw、が、せっかくなんで何か新しいものでも覚えてくれたらなおいいとは思う。

後3回やったんだけど結果はなぜかオレが3連勝、適当な予測は1回ズレて当たったw。

こういう爆発がなぜ起きるかは分からないが一つ印象的なあがりがあった、

中張牌ポン、端牌ポン、役牌の北をポンして残りが一一68(666)でトイトイになる前にツモって4,7。

普段はあまり出来ないような仕掛け、だがこっからもうどうやってもあがれてしまう確変状態に突入したような気がした。

こういう時ってだいたい何でも正解だから楽と言えばそうだ、彼らの教科書を見せてもらいながら打ったりw。医学書か、縫合のやり方がカラー写真で載っている。

「なんかグロくないですか?」

「…そだねw。」

数学や物理の本もあった、パラパラとページを捲る。

「いや、大変勉強になりました。」

と返したが全く何が書いてあるか分からずw、医師って理系なんだと改めて思ったw。

後はずっと音楽の話をしながら打ってた、オレが彼らの歳だった頃より確実にいろんな物を聴いてるようだ。

対局後、近々またやろうということで別れる。たまたまだが上手くいってよかった、ただそう思った。

しかし―

麻雀しながら音楽の話をするなんてオレの好きなコト尽くし、ある意味幸せだw。次回は負けるかもしれない、それでもまた彼らと打ってみたいと思えるくらい楽しい時間を過ごせたのだった…。


追記:件の彼らは相当にアバンギャルドな音楽を奏でていた、「金なんかいらないから音楽がやっていたい」と言ってたので諭したことがある。医師免許を取ったと聞いてなんだか安心した。
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残念なプロ

こないだ素晴らしいプロ雀士と打ったのは以前の日記の通り、でもその次回に今度は残念な出会いがあった。

仕事の空いた時間で打ちに行くことが多い、だから3時間とかしか打てないが他に何をしていいかも分からず牌を触りに行く。その日もそうだった、今日は何を見せてくれるか?そんな気持ちで卓へ。

卓は上にゲストだという女流プロ、対面がその追っかけだというオジサン、下にやたら麻雀の強い同い年か又はちょっと上くらいのお兄さんだった。

その女流プロは知っていた、オレが青春を捧げたようなゲームに出てたからw。どんな麻雀打つんだろうと思ってたらまぁ、残念でしかなかった。

ある自分の親番、先行リーチを打つ。そしたらプロに追っかけられて678の三色の5を掴んで、満貫の放銃。

「ロン、安目、8000一枚」

との申告、「えっ?」と思い「…はい」というワンテンポ遅れた発声になる。

少々イラッとしてたら下のお兄さんが卓の下からポンポンとヒザを叩いてくる、「分かった分かった」というメッセージに思えた。

このお兄さん、しかし強い。ある局でオレが大したこともない手をツモあがった時のコト、卓がトラブルで止まる。そしたら牌を集め始めてこう言う、

「2手前(2シャンテン)ってこんな牌姿やったんちゃいます?」

と言い、オレの手牌の2手前を完全に再現された。麻雀は2シャンテンが一番難しいと言う、それを再現されて正直感嘆してしまった。

それから―オレとそのお兄さんは麻雀の話、女流と追っかけは世間話という構図が出来上がった。相変わらず態度は悪いと思う、けどそんなことは意にも介していないようだった。

「赤ちゃうんかい!ツカんわぁ。」

およそゲストとは思えない、それがファンサービスだと言うなら同卓などしないでよかった。

でも、不思議とイライラしてると思ったがそんな悪い成績にならない。これは多分、下のお兄さんが操作してくれてるからだ。ホントに強い人はなぜかそんなことが出来る、何かしらの配慮があったのだろう。

が、そうこうしてる卓にも事件が起きた。

ある局、プロとのリーチ合戦に勝ってオレがあがる、高目で親満だった。

「ロン、12000点、2枚です。」

と、申告。オレは必ず申告には「です」をつける、長年の何十店にも及ぶフリー雀荘通いがそうさせた。

プロの試合なら点数だけ言えばそれでいいのかもしれない、が、バクチ場で一番年下のヤツが偉そう(そう思われたらアウト)に言うとそれだけでトラブルの種になる。

吐き捨てるように言うのだけが能ではない、そんなヤツはもっといろんな場を見ておいたほうがいい。「です」をつけられるのがウザイなんて話も聞いた、が、オレから言わせれば何も知らないヤツの戯言でしかない。怖い思いしないと分からないんだろう、けどそれでは遅すぎるかもしれない。

だいぶ話が逸れた、元に戻すとオレの申告にプロが点棒を投げて寄こした。それで―下のお兄さんがキレた。

「オイ、お前ええ加減にせえよ。」

と、ドスを効かせてにじり寄る。オレは―今にも掴みかかりそうなお兄さんの体を止めることしか出来なかった。

結局、店全体の問題になりオレはゲーム券1枚握らされて帰らされた。仕事だったから、それ以上居ることも出来なかったんだけど。。

それで帰り際思った、何を持って「プロ」なのだと。麻雀が格段に強い人がイヤな思いをし、なんで呼ばれたか分からない下手くそなプロがのさばる。

たった数回で判断する訳でもないがやっぱりお粗末な麻雀打ってたプロは成績も伴わなかった、それで、尚かつ態度も悪いプロって居る意味を見いだすことは到底出来なかった。

麻雀プロは安定しないと言う、オレも似たような音楽の世界に居るから分かる部分がある。

はっきり言ってアマチュアに負けていいプロなどあり得ない、ゲーム性の問題だと逃げるならどこかではっきりとしたプロとしての側面を必ず提示しなければならない。

自称「ミュージシャン」という不思議な肩書きを名乗る人が居る、でもそれは自分しか認めてくれない肩書きでもある。

麻雀プロと名乗るには大きな組織の一員であるということなんだろうが…それに甘えてんじゃないよ、そう思った。

我々音楽のプロはもしもアマチュアにひけを取るなら皆廃業だろう、でもそれが当然だ。

「プロ」とは何ぞや?ということを思い出して欲しい、「運の要素があるから」いうならそもそも麻雀プロになどなるべきではない。

まぁ世の中のニーズもあるんだろう、むさ苦しい男と打つくらいなら若い女と打ちたい、という穿った考えの人も居るだろう。

ただ―

今回思ったのは「悪貨が良貨を駆逐する」状態ではダメだろってコト、どこの世界のプロももっとその世界の発展を願うべきだと思ったのだった…。


追記:このプロが誰なのか?とかはどうでもいい話だ、大阪で初めて出会ったガチフリー強者との対戦に水を差されたのがイヤだっただけだ。
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実家での手積みセット

ついこないだ、実家ならではのセットがあった。「お前が帰ってきたなら」と言って企画されたもの、珍しいんだが我が家で開催された。

マットは友達が持ってきてくれた、牌は家に置いてある、引越した時に持ってきたんだけどなぜか2セットもあるから。今回はドンキで買った練り牌をw、アルティマと同じくらいのサイズだろうか。

ルールは普通なようで変わったものがある、1-1-2で一発ツモだけ5000点分の祝儀、赤は一枚ずつ入っているがドラなだけ。三連刻(2ファン)や四連刻(役満)が採用されていたり、チャンカンが無かったりテンパイ連荘だが南場はノーテンでも連荘だとかヤキトリがあるだとか馴染みの薄いものも多い、「こんな所?」って聞いたら「ああ」というんでまずはやってみようということになった。

面子は―

磨屋(みがきや)…唯一の妻帯者、子供も居て何ともカワイイ。研磨の仕事をしてて今日は奥さんのお許しが出て参加、久々にやったスロットが当たったらしくプチバブル、酒をいっぱい買って来てくれた。

ツダ(ラーメン屋)…前日も3時過ぎまで一緒に飲んでたがこの日も参加、当然翌日も仕事。麻雀は結構長くやっているようだが腕前は全く上がらない、彼に負けるようなら引退かw。

元アクション俳優(スタントマン)…去年まで都内でスタントマンをやってて実家に帰ってきた男、仕事関係の話は非常に面白いw。この面子の中では唯一「手役派」の印象を受ける、気に入らないテンパイは組まない辺りに拘りを感じる。

と自分。皆は面子も集まらないからそんなに打ってはいないらしい、一番打ってるのは間違いなくオレだろう。だが有名なプロの言葉に「人はなめても麻雀はなめるな」とあった、それに僅か3回戦では何が起こるか分からない。「2回あれば勝ちきれる」と豪語する名古屋の弟分が羨ましくもあった、少しドキドキしながら久しぶりに山を積んだ。

一回戦目、いきなりドラ色のマンズの染めやってるオレに磨屋が無筋のドラを叩き切って来る。どう考えても「居る」、そしたらラーメン屋がタンピン三色に飛び込む、やっぱり入っていたようだ。オレは全く手が入らず、けどチョコチョコあがりオーラス満出条件までこじつける。が、ラーメン屋の6巡目ドラ3チートイを謎の3を引かれてトップをさらわれた、被ったせいで3着に終わった。。

二回戦目、一回戦目ヤキトリのラスだったアクション俳優に突如台風が訪れる、リーヅモドラいっぱいをたくさんあがられてトップは彼に確定。こうなると重要なのは2着、きっちり守りきって2着。けどたったのプラス3、最終戦はいよいよ負けられなくなった。

最終戦、たったの三回というが手積みだし打つのも遅めだから時間が掛かるものだ。しかも毎回場替えがあるし時間を掛けようとしてるとしか思えない、ルール改正が必要だろう。そんな中たまたま座ったのが前回のトップ席、席と順位の因果関係はいつまでたっても分からないが急に手が軽くなった。

トップ目で迎えた南二の親番、流局で三本場。ここで細かくあがりを重ねて五本場へ、皆怪しい手作りをしてたもんだからオリ。染まってたと思ってたラーメン屋が磨屋の四に「ロン」、役牌だけの1000点。両面を嫌ったシャンポン、意外な待ちだったw。

そしたら―

「あれ?チョンボじゃね??」

との物言いが入る、別にフリテンではない。だがよくよく聞いてみれば五本場以降はリャンハン縛りとのこと、じゃあチョンボだ、しかし言っておいて欲しかったw。

リャンハン縛り、これほど慣れていないルールも少ない、セットとかだとメジャーなルールなんだろうか?これ以降異様に場が重たくなる、しかもノーテンでも親が流れないからずっとオレの親が続く。あがったり流局で最後には十本場、これだけ積んだのはちょっと記憶に無い。

そこでアクション俳優がその日初の一発ツモで磨屋がトンで終了、12時半くらいから始めたんだが終わったのは日ももう昇り始めた5時半とかだったw。

最後の大トップが効いてプラス70とか、まぁいい。久々に飲みながらセットとかして楽しかった、話ながら打つなんてのも珍しいから。

時間が思いのほか掛かったから観想戦などは無し、各々予定があるらしく三々五々帰っていった。

ホントは聞きたいことなどもたくさんあったのだが仕方ない、麻雀打つためだけに割ける時間なんて普通はそんなに取れないらしい。

「アナログ」感たっぷりのセット、こんな麻雀もたまにはたまにはいいものか…。
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プロ雀士との遭遇

久しぶりに麻雀を打ちに行ったある日、ピンが出番まで時間が掛かるためゴで打っててくれないか?と言われる。

「プロと打てますよ。」

と言われ、じゃあやってみようという気になった。安いレートで勉強できるならいい、卓へ。

そこに居たプロという方は某ゲームにも出演してるらしい、スーツにメガネ姿で理知的な印象だった。

一回戦目のある局、自分の手牌が

2356四五七八(124479)  ドラ2

と、よくあるメンツオーバーな手。場況的には全く関連牌が切られて居ない状態であった、こういう時に何を指針にして手を進めるのか難しい。他家の捨て牌から色の濃さを見るという手段もあるんだろうが「持っているかも」という予想であって確実なものでもない、けどミスもしたくない。

セオリー通りピンズのペンチャンを外しながらピンズのカンチャンを埋め両面選択も上手くいって三六萬でリーチ。何巡かして三をツモ、裏ドラが三で満貫、裏を引いたのに手応えを感じた。

「あぁ、この局は上手く打てたかなぁ。」

とか思ってたら

「良い選択されましたね」

と下家に居たプロがボソッと呟く、最初自分に言われたのか分からないほど小さな声だった。

「あぁ…ありがとうございます。」

くらいしか返せなかったw、けどよく見ていたのだ。それ以降オレも見てたけど牌捌きはもちろんのこと押し引きや牌の絞り、あがりと河のバランス、やっぱり上手なんだなと思った。

偉そうなことを言う訳でもなくその日の他の同卓した2人は全くの初心者だったと思う、でもずっとプロとオレでサンシ(3着、4着)してた。

あるプロの親番、珍しくストレートな切り出しをしてきて7巡目にリーチ。今までの打ち筋もあって「本物」を予感させるリーチだった、そしたら対面も手出しで追っかけ。オレはもう撤退、プロが掴んだ一発目は八、それに―

「いっぱ~つ!裏はと、あっ、乗った、満貫!」

間八リーチであったが八はオレが切って上家がポンしてる、要するにラス牌を一発で持って来て放銃してしまったというコトだ。

「…はい。」

全く表情を変えず点棒とチップを支払う、あぁ、カッコいいなぁと思う。役満あがろうが振ろうがポーカーフェイス、理想的だ。

その後もオレが1222356667というダブル中ブクレリーチに一発で振り込んだり中々突破口を見いだせない展開が続く、せっかくならファインプレーをしたいのだが上手くいかない。。

けどプロもたまにあがると自分の河の3牌を指さしたりしてサービス精神も忘れない、

「それあれば三色ですか?でもそれは難しいですよ。」

なんて会話もしたり、対局中に会話するなんて珍しいことだ。成績悪いけど上手いのが分かるってのも不思議な話、けど牌がそれに答えてはくれなかった。

極めつけはある開局、6巡目にプロの切った白に対面がロン

「ドカーン、役満、国士無双!ご祝儀なんぼなん?」

「役満」と「国士無双」と言い点数を言わず金の話、品位を疑う。まぁ、大体オレも白を一枚持ってるし座順で3着だった。。

それでもやっぱりプロは

「はい。」

の一言、けどさすがに表情に陰りがあったかもしれない。と、そこでお客のご案内で抜けることになった。去り際に―

「ようやく少し手がまとまってきたかと思ったんですが…、ダメでした。せっかく麻雀好きな方と同卓した機会なのにご案内です、すいませんでした。」

と言われる。

「いえ、あの、また是非お願いします。」

と、オレの返しは相変わらず20点くらいだったがホントにあんだけボロボロでも楽しい対局だった。謝罪というかそんなもんは必要無いのにそう言えるプロ、素敵だと素直に思った。

オレもようやく卓を移動出来てそこでは良い成績で終えられた、さっきまではなんだったんだろうという位ストレートに打てた。

帰り際偶然立ち番をしてたプロと少しだけ話す、

「今日はちょっと…アレでしたが打てる方もたくさんいらっしゃるんで是非またご来店をお待ちしております。」

のようなコトを言われる。従業員ではなくゲストなのにそんなことを言うんだなぁ、なんだかその方のファンに少しだけなりそうだったw。

麻雀なんて本来不条理なものだ、それをある程度分かっていなければ仕事になど出来ないんだろうな。例えるならどうしようもないコを好きになってしまったようなものか、それでも好きだからと一途に付き合っていくんだろう。

納得づくなのかそれともそれを嘆くのか、それは分からない。アマチュアの自分は「あれは遊びだから」というエクスキューズを用意して打ってるのかもしれない、だから大した成績も残せないのかもな。。

長年打ってても真摯に向き合う姿勢、たまたま会ったプロ雀士にそれを教えられたような気がした…。


追記:このプロはまだ活躍中なのだろうか?麻雀を「どうしようもないコ」と例えたくだりは気に入っている、男ならこんな面倒なヤツとは絶対に付き合っていないだろう。
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メンチン

最近めっきり麻雀を打つ機会は減ったと思うが減ったのにやたら入ると思われる手が一色手、しかも字牌の入ってないチンイツのほうだ。

だが…元来メンチンの待ち当てがどうにも苦手だ、習練度の違いと言えばそうなんだろうが友人達はめっぽう強くってすごいなぁと思う。

友人達が家に来てメンチンゲームをずっとやっててハイスコアを更新しまくる姿を見ると羨ましいような気になった、けど自分も苦手だからとか言ってる場合でもない。

面清狂 そのゲーム

ある実戦譜、対面さんが1700点持ちからリーチを打ってくる。3位の自分も1万点持ってない、上が抜けている局面。だが何故か大好きなマンズの一色が入り生牌の字牌と無筋のドラを切って追いつく、お声は掛からなかった。

一二二三三四五五五六七八九 五が一枚赤

1-4-7-6-9か、これはすぐ分かったw。けどリーチは無い、対面から当たるとどれであがっても3位のままだからだ。

「見逃されたヤツはツく」というのは当たり前だと思う、本来無かったはずの展開が生まれるんだし本来あがる手をわざとあがらないんだから当然だ。本来見逃しって嫌いだけど明らかに損だからそうしてるだけ、ツモってしまった場合のコトを考慮してもホントに損な選択だと思う。

その後中2男子のTゾーンのような脂ギトギトの牌を切るが御用の声掛からず、対面はオレのロン牌を3度切ってくる、それでもあがれなかった。。

安牌に窮した上のメンバーが一を切ってきて要約ロン、けど申告は「16000の1枚」。山を崩しながら考える、「メンチン、ピンフ、イーペーコー、一通、赤」=11。。ダマで三倍満なんてあがったことあったろうか?それを倍満に下げてその半荘は結局2着止まり、恥ずかしいし残念な一局になった。。

また別の実戦より、中張牌のカンチャンと2,8の染めてる色、どっちが大事なんだろうかと思いながらソーズを集めるとゾクゾク集まってきてメンチンの完成。形は

3333444556667  ツモ2 

愚形テンパイからツモ2ときたところ、頭の中がこんがらがってしまう。小考、と言ってもせいぜい5秒くらいか。待たされるのは大嫌いだが待たせるのも嫌いだ、7を切った。

結局あがれず、けどこの局について正解が知りたくって平日の昼間に総帥にメール、すぐに返信が来た。

「パッと見6切りしちゃいそうだけど出倍欲しかった訳ね、それで7切りだ。」

とのこと、そうじゃなかったと思いますがw。彼は何切りが何種受けでその場合何待ちになるなどを全てメールで送ってくれた、普通の会社員とは思えぬ返信スピードに驚いたw。

この局面はフラットな時、6をノータイムで切って1-4-7-2-5-8だって気づけるようにしたいものである。

他に入った最近のメンチンは1122233345678だとか2223456678889だとか、前者はこれでいいだろうが後者はここから何引きの何切りが優秀などがパッと出ない。。

まだまだ練習が必要なようだ、いつも仕掛けるからそんな難しくないんだけど面前で入った時は破壊力が違う、頑張りたい。

最後に一番最近あがったメンチンより

2234566778999 ツモ9でテンパイ、ノータイムで字牌を切ったが待ちを確認せず。そしたら下家がすぐに赤5を切ってくる、ちょっと遅ロン気味にロン。

あがれたもののこんな単純な形で恥ずかしい。。こんなことはもうゴメンだからこそやっぱり練習するしかないって平凡な結論に落ち着いたのだった…。
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今年初役満と大三元についての捉え方

こないだ名古屋の弟分が来た時の話、大阪で昼間からするコトが浮かばず結局雀荘へ。

彼曰く、「ルールなんでもいいんでピン以上のレートからで、出来るだけ過激なものがいいですね。ほら、オレは負ける訳ないんでw。」

とのこと。この絶対的な自信はいつもすごいなと思う、素直に。彼は同級生と様々なルールで高いセットをよくやっている、エリート校出身だから皆高給取りらしく仲間内でオレからしたらかなり高額が動くらしい。

仲間内で取り合ってもなぁ、と思う。だがそんな「場」を求める人が集まるならそれもまた自然なのかもしれない、その場で培った経験はいろんな場面で生かせるだろうしそこで勝ったという実績が自信に繋がるんだろう。

けど過激なサンマの店とかはあるけどオレも入ったことがないので結局ヨンマのピン雀に、別卓でそれぞれの勝負が始まった。

始まってみたもののオレはずっと2,3位を繰り返すような展開、下のお兄さんが3連続くらいトビでラスだけは回避出来ているようなもの。どこかで道を切り開かなければならないのか、それともジッとチャンスを待つのか、よくあることだがいつまでたっても分からない。

後、東南回しなのに本場が1500点なのが慣れない。ラス前からオーラスの一番大事な時にどんな時に降着もやむなしと攻めるのか、オリるのかが300点と微妙に違う気がする。卓についてから慣れないとか言ってる場合でもないがジリ貧の展開、けど打開策も特に無かった。

そう思ってるとまた新しい半荘が始まる、既に積まれていた配牌を取った。

233(155)東南白白発発中

アルティマは「寄る」という、今まで寄って無かったのが急に寄ったとでも言うんだろうか。

その後はツモ3で暗刻にして次巡の盲牌は手応えたっぷりの中、不要牌を切るだけだった。

オレもズブッてたけどもっとズブズブの下家のお兄さんから白、「ポン」すぐに打中でまた「ポン」。「あちゃー」と言っていたがもう遅い、大三元のテンパイが久々に入った。

まだ4巡目の話、「発は出ないだろうなぁ、(5)の跳満でも十分だろう。」と思っていた。

が、同巡対面のスーツを着て今まで大人しく打ってた人が打発と来た。

「ロ、ロン。」

ちょっと発声が変だったかもしれない、それくらいあっさりと役満が成就した。

「あかんかぁ、発か赤(5)切りやねん。どっちも当たりかぁ。」

とのこと、その方は出親であったかそれなりの手が入っていたんだろうか、それともまだ間に合うと思ったのだろうか?

若干の違和感を残し店を出た、しっかりと稼いだ弟分にその話をすると

「まぁ打つんじゃないですか、しかも親ですよね?ツモられて被るくらいならさっさと切ってしまったほうがいいと思いますよ。」

と、言われた。近代の戦術本にはそれが常識として書いてあるらしい、理屈では分かるがそうなんだろうか?

2つ晒されたらイヤでも手が止まる、いや、1つ鳴かれた時点で後2つをある程度ケアするのは当然だと思ってただけに新しい考え方を受け入れられない自分が居た、でも納得の放銃なら悔いなしか。

自分の考えを「当然」と思う危険性がある、新しいことを覚えたということで素直に初役満を喜ぶことにした。

話は変わるが分かりやすい役満には包(パオ、責任払い)というものがある、確定させる牌を鳴かせた人に責任を取ってもらおうというものだ。手バラで役牌のドラを鳴かせてオリるのは責任を問われないのに役満に関しては厳然たるルールがあるってのも面白い話、けど包ってなんだか恥ずかしい。。

昔一度だけ大三元の包をしてしまったことがある、親でタンヤオ赤3のテンパイを入れていて待ちの四、七萬以外は何でも切った、その店のハウスルールで赤セットがチップ5枚分の価値があるってのもある。

まぁ、最大の理由は役牌2つともう1つ仕掛けてる対面にアツくなってたというものだ。この人は遅延行為と言わなくていいおしゃべり、など人の気分を逆撫ですることに何も感じないらしい、良いことなど何も無いがオレを含めた3人はすっかりカッカしていた。

持ってきた3つ目の役牌をノータイムでツモ切ると「ポン!」と言い裸単騎になって大三元が確定してしまった、「ポンで済んだか」とも思ったがこうなるといよいよオリる理由がなくあがり牌以外は何でも切るだけになった。

対面がまた振りかぶってゆったりツモり左手で隠しながら目視、退屈なクリシェ、もうウンザリだった。長考の末放られた牌は四萬、指が牌の上にあるから見づらいが確認した瞬間にロン。

一矢報いて気分は上々だったがたまたまオレに軍配が上がっただけ、ホントたまたまだ。けどこの手だったから押せた、アツくなってて押せたという後付けの理由もある、悔いはない。

今回なぜこんな話を書こうと思ったのかというとこないだ実戦でまた似たようなコトがあったからだ、東場のフラットな場面の親で早々に三元牌の仕掛けが2つ入った。オレは残りの中が一枚でまたも打ち切れずソーズの5メンチャンテンパイも外して何度もあがりを逃し結局流局、仕掛けは高目大三元のバッタテンパイだった。

が、最後に入った牌が中だったのである。理牌の位置でそれが分かってしまったのが逆にショックだった、覚えたことをどうも生かせてないようだ。。

アツくなってて打った、冷静だから打たなかった、所詮は結果論の産物かもしれない。が、手順の巧拙を競うだけのゲームでは点棒移動が無く着順が決まらない、選択権は自分にある、出来れば正着を打ちたいもの。

気分屋の自分が気分で打つ牌が変わるのに疑問を持っているのは何だか滑稽な話、けどその場その場の正解を知りたいから打ち続けるのだろう。

時に迷い、時に挫折する、こんな繰り返しなれどあと少しでも知りたい。

あと少しでも…。
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果てしなき麻雀格闘倶楽部

最近また麻雀格闘倶楽部をやっている、そういえばこのゲームとはもう7年間の付き合いだ。

学生時代に始めて特に3の頃は毎日のようにやっていた、昼雀荘から夜ゲームだったりその逆だったりとホントに熱心に打ってたものだった。

ゲームセンターでアルバイトしてて、このゲームが置いてあったりというのもあってさらにのめり込んでいった。お客さんのプレイを見学させてもらいながら手筋について議論したり、トイレや電話の時は「代走」もしてたw。

ある麻雀のお客さんに

「スタバのコーヒーが飲みたいな、買ってきてくれる?」

「いやぁ、自分は今仕事中ですので…」

一万円札を出し

「君の分も、お釣りもあげるよ。」

「飛んで行きます!」

と、こんなコトがあったw。近くに場外馬券売り場がありプチバブルな方がいたりした、おっと閑話休題。

たかがネット麻雀と侮ることなかれ、強い人などごまんと居るのだ。その店の昔からのスタッフもこのゲームをやるせいか対応力がすごい、セットなどすると打てるなぁと感じる。

卓に付く感覚とも違うんだが麻雀を打ってることに変わりはない、いい「稽古」になると思うからこそ真剣に打てるんだと思う。

この2年ほどは待ち合わせまで2,3回というのが多かったが新しいバージョンには随分新しいモードが増えている、やり込もうとするとやはり大変だ。

・競技麻雀(一発・裏ドラ・赤がないモード、こないだ競技について書いた割にそういえばやってない)

・麻雀トライアスロン(東風・半荘・三麻の3つでのポイントを競うもの)

などが増えている、しかも東風、半荘、三麻それぞれにリーグがあり昇級するためには打ち続けなければならない。

後段位認定試験というのがある、昔三段を取得したんだが合格条件がムチャクチャ厳しい(半荘18回で点棒収支+5000以上、平均順位2,15以下)。今では5段まで受験出来るらしい、これもやろうと思ったら相当な金と時間がいるだろう。

さてこのゲーム、知れば知るほど果てがない。。

バージョンも8くらいになり魅力的なコンテンツはたくさんあるんだが如何せん相当な労力を費やさなければならない、そう思うと及び腰になる自分が居る。

「娯楽」であったはずのこのゲームが「義務」になった時にイヤになったという話を聞いた、オレはまだそうしていないが確かにその通りだと思う。

じゃあどこで納得するか、そういう話になるだろう。オレの場合はアルバイトしてた横浜のゲーセンに未だに登録してるから少しでも店のポイントに貢献出来ればいいか、そんな感じだ。

昔あんだけやってたのにどうしてやらなくなったんだっけ?もう覚えてないんだが多分この壁に以前もぶつかったのだろう。同じ轍を踏むこともない、楽しみくらいでいいじゃないか。

今のトコ結果も出せてるし楽しい、チョコチョコ打っていくことにした。

あっ、そういえば昔から思ってたことだが―

そもそも麻雀に果てがないわ…。


追記:天鳳を始めたのを機に9年やり続けたが一旦お休みすることにした、ファイトクラブでは成績が上がり続けていたが天鳳は下がり続けている。ネット麻雀はホントに奥が深い…。
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101マガジン

大阪の某店、4人打ちの店を探して行ってみた。サンマがやっぱり多い、たまたま話したメンバーによると「2,3万が一瞬で溶けるか増えるかするスピードがやみつきになる」とのこと。オレにはどうも違う、あとブー麻雀は今ではすっかり廃れてしまったらしい。

卓の都合で待ち席に居る、本棚を見ると懐かしい本を見つけ手に取る。プロ団体の専門誌、「101マガジン」だ。

横浜の店にも置いてあってよく読んでいた、観戦記やコラムなど実は結構面白いのにあんまり読んでいる人を見ない雑誌である。

少し話が逸れるが麻雀の観戦記ほど書き手の能力が如実に出る文章もなかなか無いと思う、ファインプレーは驚く程地味なゲームだがそういった細かいものまで伝わってくる内容だと臨場感や緊張感を伴っていい観戦記だと言える。何個も読んだが文章の優劣がはっきりするものだ、まぁ麻雀が主役のドラマだからいいんだろうけど。

話を戻す、黙って熟読しているとさっきのメンバーに

「そんなん読まはるんですか?」

と聞かれる。「そんなん」を「そんなもの」という意味に取ってしまう、

「これ読むと面白いんですよ、世話になった人が出てたりして」

と答える。昔世話になった方が確かに出ている、

「えっ、誰ですか?」

「いやぁ、恥ずかしいから。」

と言った。オレがそれを溜める意味は全くないのだがこのコアな雑誌が置かれている以上この店にもプロが来ているかもしれない、その方とオレは親しい訳でもないがその人に「あいつの知り合いは下手だな」とか思われるのがイヤで何だか答えるのが躊躇われた。

この団体のルールは一発、裏ドラはもちろんノーテン罰すらない。でも当然ラス前やオーラスに条件が付くため手作りが必要な局面があったり、誰にもテンパイすら入れさせずあがらせもしないという繊細な打牌が要求される。

巷のインフレルールにどっぷりなオレはそういう面の勉強が全然足りないため読んでてとても参考になる、少しだけ上手くなったような気がして卓に案内された。

が―

切った張ったの麻雀になってしまう、兄に「お前のはバクチ麻雀だな」と揶揄されたがその通りの内容だった。

小銭を浮かせて席を立つ、帰り際にこの雑誌が目に入って恥ずかしいような気分になった。

ストリートファイトと高尚な競技、別物だと割り切ることも出来ず何とも言えない憧憬心だけがある。

その折衝点を見つけるためにも―

これからも読み続けていきたいと思った…。


追記:もう随分長い間読んでないな、まだ刊行されているんだろうか?
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スーパーリーチ

麻雀みたく店独自のハウスルールで内容がかなり変わるゲームはなかなか無いと思う、最近よく見かけるのがこのスーパーリーチってヤツ。

これは出せば必ず一発でツモれるなんてものではないw、半荘一回に一度だけ宣言すれば一役追加されるというもの。

誰にでも与えられていていつ使ってもいいがこのルールには賛否両論がある、「面白い」なんて意見があったり「ゲーム性が損なわれる」なんて意見も聞く。

だがその店のルールだというならそれに合わせるしかないのが現実、今回はそんな話。

ただこのスーパーリーチ、使うタイミングが難しい。当然面前でテンパイしなければ使えないしそれがいつ来るかなんてのも分からない、何点の手で使うのが得なんだろう?などいつも迷ってしまう。

単純に得点が倍になるもの、これは得だろう。2600が5200になるのはどう考えたっておいしいw。後は待ちの形、良形で得点アップが望めれば躊躇わないが愚形で勝負に行くのはなんだか躊躇われる。

何が正解なんだろう?デジタルを標榜する友人は初めて入った面前テンパイで必ず使うらしい、そういうもんなんだろうか。

オレの場合はせっかく使うんだから是非あがりたい、という思いが強い。スーパー打って後悔しないように、それを心がけている。

以下はそんなスーパーリーチを採用する店での実戦譜より。

五六888(12356789) ツモ七 五が赤

大好きな七萬の手触りで嬉しくなり「リーチ!」、即座に「あっ」と思う。これどう考えてもスーパーじゃないか?

スーパー不使用…(4)で8000点、(7)で3900点。

スーパー使用…(4)で12000点、(7)で8000点。

ここで使わないでいつ使うんだろうというくらい後悔、安目満貫、高目跳満のリーチなんてなかなか打てないのに。。

結局親から高目の(4)で出和了、裏乗らずの8000点だった。高目であがれたからいいもので、使わずの(7)での3900点だけは避けたいものだ。

次は別の店での実戦譜。

345(3467)三四五八八西 ツモ(8) 五がドラ

あるラス前かオーラス、一方的な展開が続きジリ貧の3着目。満ツモで2着、倍満まで行けばトップまで行ける。出和了だとまたいろいろ面倒(ラスがトンだり点数が足りなかったり)なある局、小考して結局「スーパーリーチ!」を宣言した。

小考したのは自分がスーパーを打った時の周りの挙動には何か変化があるんだろうかなってこと、「どこまで入ってんだろう?」って思われて動かれたり(下のトップ目が一発消しとか大好きだし)した時の目に見えないなんだか悪いイメージがあった。

だが序盤から345の三色をイメージしての手作りをしていたし曲げてツモっても一発か裏が居る、せっかくスーパーも残っていたのだからここしかないか。「スーパーリーチ」という日記であり使ってなければネタにならない、トップを目指す以上、尚且つスーパーが残っている以上逡巡などせず迷わず使うべき所なのだろう。

リーチ後、悪いイメージ(当たらないコトが多い)は何処へやら。静かに巡目は進んでいく、ただラス目だけは何も聞こえなかったというようにバシバシと攻めてきた。

終盤、ツモ山に手を伸ばすと丸い5つの彫りが刻まれた牌を手繰り寄せた(5ピンだけは何回触っても不思議な感触がする)。

「ツモ!」

少し声が大きかったかもしれないw、しかも驚くことにツモったのは赤いシャア専用5ピンだったww。

裏ドラはサービスの4000,8000w、そういえばこの店は赤5ピンだけ2枚入ってるって忘れてた。

スーパーリーチはやはり条件がついたオーラスに使われることが多いと思う(本来なら使うべき所で使っておきたいが)、仕掛けて条件を満たせるならそれでいいがやはりツモや裏ドラに期待するため面前に比重が置かれるからだ。

正解はあるのかもしれないが難しい、ただ―

いつもトップ走者で居られるくらいの腕前があれば迷わないのに、なんてくだらないコトを考えるのだった…。


追記:以前スーパーありの店で同卓者に「マリオのキノコリーチ!」と言われたことがある、まぁ言いたいことは分からんでもない…。
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拳銃の大阪麻雀 Ⅱ

大阪に居たので「鉄砲」ならぬ「拳銃」で雀荘に行ったのが前回書いた話、今回はその次の50円からピン雀に行った所から。

余談だが友人で一日で0,3からリャンピンまで勝ち上がったヤツが居る、一日中麻雀打って終いには結局スタートした金額をスッて終えた。「あー面白かった、3千円も負けちゃったよ。」とケラケラ笑っていたが彼もまた強い、「師匠」に似た空気を持つ友人をふと思い出した。

さて、今回行ったのはネットで見た某店。4人打ちならまぁどこでもよかった、初回で行く雀荘はどうも緊張する(大体ビルの上だし)が勢い勇んで行ってみた。

最新自動卓の「アルティマ」が並ぶ、4人で打ってる卓と3人で打ってる卓がある。初めて大阪式のサンマを見た、なるほど何とも小気味のいいテンポで進んでいる。

「ご新規ですか?当店はサンマとヨンマがありますけど」

「ヨンマで。」

「東京の方ですか?サンマはされませんか?」

「どうも嫌いなんですよ。」

「勿体ない!一回ハマッたらやめられない魔力があるのが大阪サンマですよ。」

「でも今回はヨンマで。」

「分かりました、ルールなんですが…」

と、ルール説明が続く。この店長だと名乗るメンバー氏は若い女性だ、しかも後で知ったのだがオレより何個も年下らしい。珍しいな、と思いつつルールを聞く。まぁどこにでもある普通のルール、特に特殊なのもないみたいだった。

「カモラス入ってる卓がありますんでもう少々お待ちください。」

とのこと、なので雀荘に置く漫画とは思えないドグサレ系の漫画を読んでてw、しばらくしたら呼ばれた。

面子は土建屋風のお兄さんと若い2人(学生か?)、トンパツから若いA君の6000オールが決まる。直感的にヤバいと思い次局は早目のチーテンを入れてみた、(5568)の間7ピンの1000点。8巡目で1枚切れ、これで押そうと思ってた。

けど手も変わらなければツモりも出もせず、そしたら親がリーチ。ふと河を見ると現物が一枚も無い、「また退路を断つような下手な仕掛けしたなぁ」と思いつつ一発目の無筋の牌を触ってそのまま切る。臨戦態勢、不幸中の幸いは親の現物待ちということか。

何とか親が7ピンを掴んでくれて御用、「1000は1300です」と申告するとお兄さんが「いや!」と手で制す、別にチョンボでは無い。

「1000は…1000やで。」

どうやら本場がないらしい、珍しいなと思った。けど急浮上しようとしてた親を落として迎えた自分の親番、ここでなんとか差を縮めておきたい。

が、電話が鳴る。これから会う友人からだ、仕方なく代走を頼む、来てくれたのはさっきの店長氏だった。

「あー、うん、ここ?梅田かな?スカイビルに行けばいいの、あぁ分かった。」

2分くらい電話して戻ると牌が曲がっている、

「入り目が気持ちよ過ぎてリーチしちゃいました。」

とのこと。見るとメンタンピン三色赤赤確定のリーチだ、ダマ跳満をリーチしたらしい。代走であがるのも気まずいからかな?などと思ってふと自分の河見ると「おや?」と思う、ドラの西が最初から2枚並んでいる。

どういう手牌だったかは分からないが初打からドラを打ち出して行ってのこの最終形らしい、オレにその手順は踏めたのだろうか?

親の怖過ぎる河を見せ付けられてか子方は3人ともベタ降り、悠然とツモに賭けてかなり最後の方でツモリあげた。

8000オールの2枚(裏は当然のように乗らなかった)、東二でまくってしまった。

「よかったですね。」

と言って笑う店長氏、やはりこの歳で店を任せられてるだけあって相当な腕前なのだろう。

この勢いに乗って最初の半荘はトップで終えられた、若い2人はやめていってしまった。

一段落着いたような気にもなっていられない、次に来たのが何とも言えない曲者だったからだ。

長くなったので「2分越えの長考をされて」はまた次回…。


追記:そういえば結局この続きって書いてないな、長考オヤジとはこれ以降何度と無く対戦した。2分超考えてあがれれば自慢、あがれなければ言い訳、という嫌いなタイプだった。

独りよがりの体勢論をずっと言ってたっけな…。
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