バードの麻雀雑記帳

天鳳(チャオってなければ鳳南に居ます)やその他の麻雀記事を集めた雑記帳です、乾きまくった麻雀砂漠に水を掛けてやりたい…

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<番外編> 競馬場に咲いた花 最終話

「はい、これどうぞ」

驚いたままの僕に彼女は当たり馬券を差し出してきた。

「えっ、あげますよ。これでタダ働きにならなくてよかったじゃないですか」

出走を待つ間どういった経緯でここに来ているかなどの話をしていた。

「いや、貰えないですよ」

彼女の馬券は○万円は当たっているものだ、いくらなんでもただ貰う訳にはいかない。こんなやり取りがしばらく続いたが僕はずっと固辞していた。

「じゃあもう捨てちゃいますよ」

彼女はすっかり焦れてしまったのかそう言うとゴミ箱の方へ歩いていった。

「いや、しかし捨てるのはダメですよ」

慌てて追っかけてって引き止めた。

「貰ってくれないなら捨てます。あっじゃあこのお金でご飯でも連れてってください、それでいいですよ」

「うーむ、じゃあ12レース終わったらご飯でも行きましょう」

こんな会話があって最終12レースへ、100円の馬券を買って外れると競馬場を出ることに。

例の評論家氏は一度僕らの方へ近づいてきたが2人で居ることを見ると苦虫を噛み潰したような顔をして黙って離れていった、どうやら嫌われてしまったようだった。

「さて、終わったし行きますか?」

外に出ようとすると

「あれ、お金に換えないんですか?」

こんな当たり前のことを言われてしまう。

「あっそうですよね」

ATMのような機械に当たり馬券を入れると紙幣がにょきっと出てくる、あまりの額(バイト代3日分超)に「すごいな」と思いつつ競馬場を出た。


しばらく歩いて見つかった居酒屋へ、席についてビールをオーダー。

「いやぁ、今日はすごかったですね」

待ってる間こんな話から切り出すと

「私たまに買うと結構当たるんですよ」

なんてサラッと言う。

「あぁ、競馬お好きなんですか?けど僕はあんまり本格的な話だと付いていけないと思います」

「あっ私だって全然分からないですよ、正直言うとどうして夢中になるのか分からないんです」

これを聞いて少し安心、そうこうしているとビールが運ばれてきたので乾杯した。

それから―、だいぶ飲んだろうか。便宜上僕が支払ったけど残りのお金は彼女が持っていた紙袋にそっと入れておいた、店を出るとこの日はそれで別れた。


この日から時折一緒に遊ぶようになった、普段しないカラオケやボーリングのような遊びに連れ出してくれるので彼女と遊ぶのが楽しみな日々が続いた。

ただ―、以降もいわゆる恋仲になるようなこともなかった。お互い今のスタンスが気に入っているんだと、勝手に思い込むことにした。

彼女もそれが心地良いと思っているんだろうか?それとも臆病な僕を笑っているのだろうか?

答えは未だに分かっていない…。

- -

引越ししたりしていつからか疎遠になり時候の挨拶をメールで交わすくらいになっていた、だがこないだ久々に連絡を貰った。

<皐月賞買いました?>

こんな内容だった、このメールを見ているとあの日の出来事が強烈にフラッシュ・バックした。

競馬場に行くこともなければ馬券を買うことも無くなったことを返信すると「こちらに来ることがあったら連絡して下さいね」のような嬉しいことを言ってくれた。

前向きに生きていたい、後ろには何も無いと思っていた、だがこの連絡を機に過去の思い出が甘美な響きを伴って蘇る。

「まぁ、たまには思い出してみるのもいいものか」

そんなことを思う、そして今日の1杯目はハイネケンに決めた…。


end
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<番外編> 競馬場に咲いた花 第2話

デニムのホットパンツにハイネケンのタンクトップを着た彼女は無いかと思っていた<タイプ>という概念にほぼ完璧にマッチしていた。

「頑張ってくださいね」

また笑顔でそう言ってくれる、ビールを受け取ると少しドキドキしてその場を辞去した。

その後も1レース外すごとにビールを買いに行った、彼女と話せるというのも楽しみであり馬券で使うなら飲んでしまった方がいいという完全な負け組的思いもあった。


そしてとあるレース、「3-6」という馬券を買ったのだが2着が混戦で審議のランプが灯っていた。6番かもしれないし、8番かもしれなかった。

中央の大きなモニターにファンの関心が注がれる、僕も他にすることがなくって見ていると見知らぬオジサン(競馬場に居そうな典型みたいな人)に話し掛けられる。

「8番で決まりだな」

「えっ、8番ですか?僕6番なら当たりなんですよ」

「3と8の騎手は同郷でな、揃って連対(1位と2位)って訳よ。ほら」

オジサンが自分の馬券を見せてくれる、3-8で買ってあった。

「あぁ、そういうのもあるんですね。まいったな」

こんな話をしていると結果が出る、写真判定の結果は…3-6だった。

「やったな」

オジサンは親指を立てると少しだけバツの悪そうな顔をして居なくなった。


またビールを買いに行く。

「さっき当たったんですよ」

「すごい、おめでとうございます」

自分のことのように喜んでくれる、これが演技だったら彼女は天性の女優だ。


少しだけギャンブルとは違う熱を感じて再開、三連単(3着まで当てる買い方)が始まる9レースへ。

以前友達に「どうして三連単は9レースからしか売らないの?」って聞いたことがある、そしたらその友人は「あんなの朝から打ったらみんなすぐパンク(持ち金がなくなること)しちゃうだろ?だからだよ」と言っていた。

実際は処理上の問題だったらしいが「そんなもんかな?」と思っていた、2位までも当てられないのに3位まで当てるなんてまぁ無理な話だ。

が、8レースで1回当たっただけでは経費にもならないので性懲りも無く三連単(複)を買い始めたのである。

結果、9,10レースと連続で外す。いよいよタダ働きが見えてきた。

ビールと少しだけの癒しを求めて例のブースへ。

「今日1回しか当たってないんですよね」

しょんぼりしながらそう言うと

「メインは4番とかどうですか?」

と提案された。

「どれどれ?あぁ、この馬ですか。競馬されるんですね?」

新聞を見ながら聞くと

「お客さんがみんな良いって言ってたんです」

らしい、彼女は皆に平等に優しいのだという当たり前過ぎる事実に気付いて少しだけ傷ついたような気持ちになりながら定位置に戻った。


午前中はあれだけ閑散としてた競馬場の人口密度は11レースでピークを迎える、その日のメインレースが始まるのだ。

メインというくらいだから人が集まるのは当然だが僕にはあまりその気持ちが分からない、別に当たり易くなる訳でもない。

だが、競馬ファンに「競馬の何が面白いんですか?」と問うと大体「展開読み」という答えが返ってくる。

要は実力が拮抗した馬が自分の思ったとおりの展開でゴールに駆けてくるもんだと予想するのが楽しいと言うのである。



これまた先述の銀行員の弟分の話をすればある時彼に川崎競馬場へ連れて行かれた時のこと。

「今日は堀の内(歓楽街)で豪遊させてあげますんで期待しててください」

と言われメインレース、彼が最後の直線で「○○!○○!!」と騎手の名前を絶叫しゴールすると狂喜乱舞(芝生を転がりながら)していた。

「えっ、当たったの?」

と聞くと

「はい、9000円程当たりましたね」

と言った。その様子で僕は最低でも10万円くらいは当たったような気がしたけど彼のイメージ通りの展開だったからこその狂喜乱舞らしい、金額の多寡は問題ではないのだ。 あっ、もちろん堀の内は帰り道に通っただけで終わった。


閑話休題。

残りも後2レースしかない、ここは是非当てておきたくてそれなりに予想をしてみる。確実に当たる組み合わせはあるのだ、後はそれをいかに手繰り寄せるか、それに尽きる。

あれこれ思案していると後ろから頬っぺたに冷たいコップを押し当てられる。

「んっ?あっ・・・」

「こんにちは~」

私服に着替えた彼女が居た、ビールの紙コップを差し出している。

「あぁ、仕事終わったんですか?」

「はい、さっき。ここに居るの分かってたから挨拶しようと思って…どうですか?」

「いやー、ダメですね。気温同様寒いもんですよ。あぁ、さっきの格好って寒そうでしたね?」

まだ上着が離せない季節だった。

「そりゃ寒いですよ、けどあれしか制服がないんです」

「あっ、そうですよね。まぁ競馬で負けてる人の目には優しいですなぁ、僕のことですけど」

こんな会話をしつつ乾杯、彼女が来てくれたこともあり意見を参考にして4番から何通りか買ってみた。3着まで当てるのは無理だと悟り2着まで当てる買い方に切り替えた。

ファンファーレと共にメインレースが始まる、彼女と共に見守った。

レースは混戦模様だったが最終コーナーを曲がると4番がグイグイ先頭に追いついてくる、後1ハロン(約200メートル)くらいか、ギリギリの距離だった。

競馬場のファンの声援にも熱が入る、騎手の名前は分からなかったが「差せ(追い越せ)~!」と僕もこの日初めて声援を送った。

結果―

4番はホントにゴール直前でトップになった、クビ差くらいだろう。

「おぉ…やった~!実は4番から買ってたんですよ」

彼女とハイタッチ。

「ところで2位って何番ですか?」

興奮冷めやらぬ状態で彼女に聞く

「3番を越してゴールしたから3番ですね」

「なるほどなるほど、4-3、4-3はっと…あれ?」

前歯が数本抜けるかと思ったが4番から色々買っていたのに4-3は買ってなかった…。

愕然としていると競馬場が沸く、どうやら着順が確定したようだ。ディスプレイには「4-3」とあった。

「当たったと思ったんですけど4-3は買ってなかったです…、ぬか喜びしちゃってすみません」

彼女に報告すると彼女は笑っていた、こんな愚かな僕を笑っているんだろう。すると

「ふふ…私当たりましたよ、ほら」

そう言って彼女が馬券を見せてくる、券には「三連単4-3-8」とあった。

慌ててディスプレイを見ると3着は8番だ。

「あっ、あああ…三連単買ってたんですか?」

あまりに驚いて挙動がおかしくなった、彼女は相変わらず笑っている。

「彼女は一体何者なんだろう?」

この時の僕は、こんな疑問が頭の中で渦巻いていた…。


エピローグに続く
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<番外編> 競馬場に咲いた花 第1話

このシリーズは番外編です、麻雀の話は出てこないのでご注意ください。



これは結構前の話なんだが某競馬雑誌で行われた企画のアルバイトをしたことがあった。

ファンからすれば有名な雑誌だが当時の僕は全く知らない、そこの「素人が競馬で勝ち切れるか?」のような企画に参加させて貰うことに。麻雀はかなり打っているしパチスロも10代の頃はよく打っていた、しかし競馬はほとんどしたことがなかった。

僕の競馬歴を簡単に紹介すると、数年前のGⅠレース「皐月賞」に初めて参加して100円、200円で1000円分買った三連複馬券の一つがまさかの的中!230倍くらいになったことがある。

じゃあそれ以降味を占めて…熱中するかと思うとそうでもなかった。横浜の場外馬券売り場の近くに住んでいたこともあり友達と行ったり、川崎競馬場に仲の良い友人と「夕涼み会」と言っては見に行ったものだが飲み食いなどの経費ばかり掛かって馬券は全く当たらなかった。

その時以来の競馬場である。ギャラと原稿料込みで○万円、前金で渡されて増やすも減らすも自分次第という条件だった。

朝の競馬場に出向く、契約で1レースから最終12レースまで全ての券を買わなければならない決めになっていた。

入り口でナビゲーター役の自称競馬評論家の方と合流、当然初対面。インテリで大企業に勤めていたが競馬好きが高じてこの業界に来た方だとか、会ってみると見るからに「胡散臭い」。雑誌編集者からは「競馬好きは得てしてコーチ好きだから何でも<はいはい>言っておけばいいよ」と言われていた、挨拶を済ませると早速競馬の講義が始まった。

「競馬新聞の見方は分かる?」

「はい、なんとなくですけど」

「なんだ、じゃあ教えることなんて何もないじゃない」

「あっ、新聞の見方知ってるくらいですので他のことは全てご教授して頂かないと右も左も分かりません」

「そうなの?じゃあ1レースだけどね…」

話に聞いていた通り「教えたがり」のようだった、朝からご機嫌を損ねては仕方ない。頭を下げると氏は満足したというような顔をして解説を始めた。

あまりためになるとも思わなかったが解説を聞きつつ新聞を見て一応<予想>の真似事をしてみる。

競馬新聞か―

僕が新聞の見方を知ってるのは「銀行員の弟分」という友人のおかげだった。東大卒の彼は学生時代から足繁く競馬場に通っていた、大学へ行くバッグにいつも<東スポ>が入っている東大生は多分彼くらいだろう。

その彼に年齢が上なだけの兄貴分である僕はよく競馬場に連れ出された、その時に新聞の見方を教わったのである。

実は彼には競馬場の所作なども色々教わっていた、だけど一番肝心な「当たる馬券の買い方」だけは教えてくれなかったな…。


こんな回想をしながら最初の数レースが終了、結果は見事に大ハズレだった。

氏がニヤニヤしながら近づいてくる。

「あんな買い方してちゃあ当たる訳ないよ」

小バカにしたような口調に若干ムッとして

「取った(当たった)んですか?」

と聞くと

「まぁね、簡単なレース多かったから」

と返された。やはりその道のプロは視点が違うようだ。

「あの…次のレースは何番を買われるんですか?」

ここは素直にプロの意見を聞こうと思う、すると

「君ねぇ、買い目(何を買うか又は買ったか)を聞くのはマナー違反なんだからね。まぁ君は初めてだから仕方ないよな、5番から買うといいよ」

僕がそれを聞いて相当高額な馬券を買えばオッズ(配当率)が変わることもあるかもしれないがせいぜい数千円のことだ、教えたからハズれると言いたいならばそれはただの「オカルト」でしかなくて僕はその類の話は全く信じていなかった。

結果―、5番は凡走に終わり当たりが濃厚かと思われた宝くじは瞬く間に紙クズになった。

氏は露骨に不機嫌になっていた。

「あぁ、素人にチャチャ入れられて展開変わることってよくあるんだよなぁ。」

こんなことを言われてしまう。

「評論家の方でもハズれてしまうことってあるんですね」

少し皮肉交じりの言葉を返すと

「あのねぇ、馬券で生活出来るなら評論家なんてやる訳ないでしょ?」

さも「当然だろ?」のような顔をしながらそう言われて「確かにそうだな」と思う。

「だいたい分かったでしょ?後は勝手にやってね」

氏はそう言うと僕から離れていってしまった。


さて、困った。あんなオカルト塗れの評論家と一緒に居ても馬券が当たるとも思えなかったが既に結構な額を使ってしまっている、原稿は結局書かなければならないのだからそれが「タダ働き」になるのだけは避けたかった。

「ふぅ、どうしたものか?」

深呼吸をすると緊張からか喉がカラカラだったことに気付く。

競馬場を見渡すと飲食店が並ぶブースがある、その中に大好きな<ハイネケン>があったので買いに行った。

「ビール下さい」

俯きながらオーダー。

しばらく待ってビールを渡される時のこと

「調子はどうですか?」

という声が聞こえて初めて顔を上げる、顔を見たその刹那<ドキッ>とする。

「えっ、あの…表情の通りですよ。」

彼女はそんな僕に慈母のような微笑を与える。

思い込みの激しさだけは自信があったけど―、その瞬間から僕の意識は全て彼女に向いていた…。


続く・・・。
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Author:バード(メン)
訪問ありがとうございます、天鳳やその他麻雀関連のブログです。天鳳で起こった出来事や麻雀を軸とした物語を実話だったり想像で書いています。天鳳ID:焦燥のバラッド(八段、鳳南民)

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